研究課題/領域番号 |
23K24432
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補助金の研究課題番号 |
22H03173 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松田 直之 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50332466)
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研究分担者 |
服部 裕一 北海道医療大学, その他, 客員教授 (50156361)
町田 拓自 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (90433424)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 敗血症 / 遺伝子治療 / 転写因子 / 炎症 / 細胞死 / トランスクリプトーム解析 / トランスクリプトーム |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症は,感染症の進行により,さまざまな臓器の機能が損なわれる病態である。本研究では,この敗血症病態を模倣する盲腸結紮穿孔(cecum ligation and puncture:CLP)マウスを用いて,① 敗血症の時系列で転写因子ネットワークがどのようにシフトするのか,② 中核となる転写因子の同定,③1つの転写因子活性を抑制すると転写因子ネットワークがどのように変化するのか,という大きな3つの問いに対しての研究を施行する。独立したネットワーク流を形成する親玉転写因子の同定により,それらを同時に抑制できるキメラデコイ核酸やデコイ核酸カクテルを開発し,その遺伝子治療効果を検証する。
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研究実績の概要 |
敗血症は,感染症により臓器障害が進行する病態である。本研究は,課題「トランスクリプトーム解析と創薬基盤形成」として敗血症性多臓器不全の病態解析に着眼し,敗血症により進行する多臓器不全の病態を転写因子の総合的解析として解明することを目的として施行されている。 敗血症モデル動物として,雄性Balb-Cマウス(8-12週齢)による臓器障害の確認が開始されている。イソフルラン麻酔下で盲腸結紮・穿孔術(cecum ligation and puncture:CLP)を行い,敗血症モデル動物としてCLP群の作成後24時間および48時間で肺,心臓,肝臓,腎臓,脾臓,骨格筋,大動脈,血液を採取している。転写因子nuclear factor-κB(NF-κB),activator protein-1(AP-1),cAMP-response element binding protein(CREB)のデコイ核酸をCLP作成6時間後に導入し,その転写活性の減弱をゲルシフト法で検討している段階にある。また,敗血症における臓器障害に対して,走査型電子顕微鏡像および透過型電子顕微鏡像として,NF-κB/ AP-1/ CREBのトリプルデコイ核酸の治療効果を確認している過程にある。 本研究では,敗血症病態CLPモデルマウスにおいて,転写因子NF-κB,AP-1, CREB,STAT-3,その他,p53,EGR-1,Ets-1などの転写因子の活性を作成したデコイ核酸を用いて減じた際に,それらの転写因子活性に変化が生じるかどうかを検討するものであり,中核となる転写因子の探索を目標としている。独立したネットワーク流を形成する親玉転写因子を同定することにより,それらを同時に抑制できるキメラデコイ核酸(おとり遺伝子)やデコイ核酸カクテルを開発し,その遺伝子治療効果を検証する研究過程にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,大きく以下の4つで構成されている。(1)トランスクリプトーム:敗血症における転写因子活性の時系列での網羅的評価:敗血症における転写因子活性の時系列での網羅的評価として,まず適切なモデルマウスを作成する必要があり,盲腸結紮・穿孔術(cecum ligation and puncture:CLP)として共同研究者間でのマウス作成の統一を実地で施行した。その上で,摘出された肺,心臓,肝臓,腎臓,脾臓,骨格筋における核・細胞質タンパク質をリソピュアエキストラクターキット(和光純薬)で分離し,転写因子NF-κB,AP-1,およびCREBの核内移行が高まることを敗血症CLPマウスモデルで確認している。これに対して,アテロコラーゲン法で各デコイ核酸を投与した際に,敗血症モデルの各臓器でどのように各転写因子の活性が変化するかについて現在は評価の過程にある。(2)ネットワーク図:敗血症における転写因子の関連付けとしてのネットワーク流の作成:敗血症における転写因子の関連付けとしての転写因子関連ネットワーク図の作成を目標としているが,現在は中心となる転写因子を同定しようとしている過程にある。現在,DNAを配置したビーズの作成にも取り組んでおり,核内および細胞質内の転写因子を牽引する方法の開発に取り組んでいる。(3)創薬:主要転写因子のキメラデコイ療法と制御カクテル療法の基盤形成:主要転写因子のキメラデコイ療法と制御カクテル療法の検討については,次年度移行の解析となる。(4)病態解析:多臓器不全の改善効果の評価:NF-κB,AP-1,およびCREBのデコイ核酸の治療においては,これまで私たちが報告してきたように,今回作成しているCLPマウス敗血症モデルにおいても敗血症病態の炎症性分子の産生を低下させることを再確認した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では,敗血症性多臓器不全の病態学的理解を転写因子活性の観点からより一層に深めると共に,転写因子nuclear factor-κB(NF-κB),activator protein-1(AP-1),cAMP-response element binding protein(CREB),signal transducers and activator of transcription(STAT),その他,p53,EGR-1(Early growth response protein 1),Ets-1(ETS proto-oncogene 1)などの転写因子の活性を減じた際に,他の転写因子活性がどのように変化するかを網羅的に評価する方針である。敗血症の時系列に基づく研究結果を基盤として,中核となる複数の転写因子を同時に制御するキメラデコイ核酸やデコイ核酸カクテル)を開発し,敗血症性多臓器不全の進行を制御する新規遺伝子治療の考案を目的とする。本年度は,中核となるいくつかの転写因子に対するキメラデコイ核酸およびデコイ核酸カクテルなどの治療効果を,形態学的評価として透過型電子顕微鏡像および走査型電子顕微鏡像で評価すると共に,中核となるいくつかの転写因子に対するキメラデコイ核酸およびデコイ核酸カクテルなどの治療効果を,臓器内炎症分子発現(炎症性サイトカイン,増殖性サイトカイン,凝固線溶関連分子,誘導型NO合成酵素,シクロオキシゲナーゼなど),免疫組織染色,TUNEL染色(アポトーシス評価)などとして,本研究を継続する方針である。
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