研究課題/領域番号 |
23K24435
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補助金の研究課題番号 |
22H03176 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
佐和 貞治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10206013)
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研究分担者 |
森山 潔 杏林大学, 医学部, 教授 (10296717)
木下 真央 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20816384)
井上 敬太 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30912224)
中屋 隆明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80271633)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | COVID-19 / 経鼻ワクチン / CpG ODN / SARS-CoV2 / 肺炎 / 新型コロナウイルス感染症 / SARS-CoV2ウイルス / スパイクタンパク / CpG ODNアジュバント / スパイク蛋白 / 免疫 / ウイルス感染 / 抗体免疫 / CpGアジュバント / Oligodeoxynucleotide / ワクチン / 経鼻 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染(COVID-19)は, SARS-CoV-2の経気道感染による急性肺傷害発生が重症化の起点となる.経鼻ワクチン投与で有効な気道粘膜における免疫力を高めることが可能であれば,投与が簡便で,かつ副作用も少ない有効な免疫の確立が期待できる可能性がある.そこで,粘膜刺激ワクチン用として期待されているToll様受容体-9のアゴニストであるCpG Oligodeoxynucleotide (ODN)アジュバントを利用したSARS-CoV-2スパイクタンパク経鼻投与ワクチン開発に向けた基礎実験を行い,臨床適応可能なワクチン開発のための基礎データを集積する.
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染(COVID-19)は, SARS-CoV-2の経気道感染による急性肺傷害発生が重症化の起点となる.経鼻ワクチン投与で有効な気道粘膜における免疫力を高めることが可能であれば,投与が簡便で,かつ副作用も少ない有効な免疫の確立が期待できる可能性がある.そこで,粘膜刺激ワクチン用として期待されているToll様受容体-9のアゴニストであるCpG Oligodeoxynucleotide (ODN)アジュバントを利用したSARS-CoV-2スパイクタンパク経鼻投与ワクチン開発に向けた基礎実験を行い,臨床適応可能なワクチン開発のための基礎データを集積した。新型コロナウイルスがそのS1ドメインのRBD領域にもつ変異は,ACE2受容体への結合親和性を高め,かつ中和抗体の結合能を低下させることから,感染性の増強やワクチン効果の減弱が懸念されている.S1ドメイン部分に変異が誘導されているものを含めて,報告されたアミノ酸変異を組み込んだS1組み換えタンパクを抗原として用いて,さらに抗体価測定においては,S1-RBD部分への中和フラクション,あるいは結合親和性が重要となるため、変異に迅速に対応したワクチンの供給と、勘弁に投与できて副作用の少ないワクチンの開発が求められている。経鼻ワクチン利用法は、初回接種からの利用だけでなく、既存の筋注ワクチンとの組み合わせて、2回目以後のブースター効果を発揮することに利用できる可能性もあり、初回筋注接種との組み合わせも含めて本研究で効果を調べる。抗原蛋白については,組み合わせを含めて,様々なパターンが考えられる.そのために今回、経鼻や経皮投与との組み合わせ、あるいは抗原たるS1蛋白のRBDとS1全長蛋白の比較、そしてCpG ONDアジュバントと水酸化アルミニウムアジュバントとの比較を検討し、最も効果的に免疫能を高める組み合わせを同定できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大学院生等が新型コロナウイルス感染症への臨床対応のため、全体として計画に遅れが生じていたが、本年度の取り組みにて、一定の研究成果が得られて、概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
武漢タイプS1とS1-RBDとCpG ODN(K3)アジュバントによるマウス経鼻投与実験では、武漢タイプS1-RBD領域タンパクとCpG ODN(K3)にて,マウスに1週間ごとに4回経鼻投与を行い,投与開始から8週間後までのS1-RBDに対する抗体価を測定したが,有意な抗体価上昇は認めなかった.次に武漢タイプS1タンパク全長の遺伝子組み換えタンパクとCpG ODN(K3)アジュバントを組み合わせて,同様に経鼻投与した.アジュバントとして水酸化アルミニウムゲル(Alum), あるいはCpG ODN(K3)と比較した.その結果,S1タンパク全長とCpG ODN (K3)の組み合わせにて、最も効果的な抗S1抗体価の有意な上昇を認めた。今後、変異を導入したS1蛋白等での経鼻ワクチン投与を試みて、ワクチン効果と変異部位の関係について調べていく予定である。
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