研究課題/領域番号 |
23K24451
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補助金の研究課題番号 |
22H03192 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
柿崎 育子 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (80302024)
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研究分担者 |
小林 孝安 東北大学, 動物・遺伝子実験支援センター, 准教授 (10221970)
山口 真範 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20400129)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | コンドロイチン硫酸 / 神経 / 分化 / 糖鎖工学 |
研究開始時の研究の概要 |
神経損傷に対する神経再生の臨床応用を目指した幹細胞移植研究の課題のひとつは幹細胞から神経細胞への分化の効率を上げることである。最近,プロテオグリカンの糖鎖のなかでコンドロイチン硫酸の特定の構造(E構造)が神経細胞への分化を促進することを見出した。本研究は,E構造による神経細胞への分化の促進機構を明らかにすることを目的とする。解析には,神経分化の優れたモデル培養系であるP19細胞を用いる。E構造を含むコンドロイチン硫酸誘導体を作製し,P19細胞の分化モデルに加えることにより,E構造によって活性化される分化の分子機構に加え,E構造が糖鎖中にどのように配置することが分化に重要であるかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では,コンドロイチン硫酸のE構造によって神経細胞への分化がなぜ促進されるか,コンドロイチン硫酸鎖中にE構造がどのように配置することが分化促進に重要であるかを明らかにすることを目的としている。そのために,今年度は,以下の計画を実施した。 1)E構造による神経細胞への分化促進に関わる分子の探索:幹細胞の性質をもつマウス胚性腫瘍細胞株P19細胞に対し,all-trans-レチノイン酸で神経系細胞へと分化誘導した。この分化のモデル培養系にコンドロイチン硫酸Eを添加して,各タイムポイントで細胞から調製したRNA試料を用いて実施したDNAマイクロアレイの結果より、E構造依存性に発現が変動した遺伝子群をピックアップした。発現変動が認められた分子およびその下流でシグナル伝達に関わる分子について,定量的リアルタイムPCR ,イムノブロット,などの分析法で裏付けを行った。DNAマイクロアレイの結果から予想された細胞内のシグナル伝達経路に関与する分子に対し,イムノブロット法を用いてタンパク質レベルでの発現変動とリン酸化の変動についての解析を行った。 2)E構造をもつ解析ツールの作製:分化促進に必要なE構造のコンドロイチン硫酸鎖中での配置を調べるために,解析ツールとしてのコンドロイチン硫酸誘導体を作製した。これまでの実験結果から,受容体との結合にはある程度の糖鎖長が必要であることが推定されたので,酵素を用いた糖鎖工学技術により,長い糖鎖の末端にまずはE構造よりも難易度の低い構造のコンドロイチン硫酸糖鎖を導入した。作製したコンドロイチン硫酸誘導体の分離条件と構造の評価法を決定した。一方で,E構造を固定した分化促進用の培養デバイスの作製を目指し,まずはE構造よりも難易度の低い構造の糖鎖の培養基材への固定の条件検討を行った。化学的な固定反応後の培養基材の分析により,基材表面に確かに糖鎖が固定されていることが証明された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DNAマイクロアレイによる網羅的分析から得られた膨大な情報から,コンドロイチン硫酸E依存性に発現が変動する遺伝子が多数見出されるとともに,E構造依存性に影響を受けるシグナル伝達経路の候補が示された。解析ツールとしてのコンドロイチン硫酸誘導体作製と分化促進用の培養デバイス作製のための培養基材への糖鎖固定に係る基礎的実験結果も得られた。従って,今年度の計画は達成できたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,E構造で影響を受けると予測される細胞内シグナル伝達経路に対する特異的な阻害剤を用いた場合のE構造の添加の有無の影響を定量的リアルタイムPCR ,イムノブロット等で調べることにより,予測したシグナル伝達経路の関与の裏付けを行う。また,シグナル伝達経路においてE構造と相互作用することが予測される分子について,E構造との結合実験を行う。さらに,E構造依存性にリン酸化レベルに変動が見られたタンパク質について,リン酸化を担うプロテインキナーゼを同定し,その活性調節のメカニズムも明らかにする。一方,昨年度までに検討した酵素を用いた糖鎖合成法,精製法,構造検定法に関する検討結果を踏まえて,分化促進に必要なE構造のコンドロイチン硫酸鎖中での配置を調べるための解析ツールとして,糖鎖工学的に難易度が高いE構造の配置が異なるコンドロイチン硫酸誘導体を作製する。さらに,昨年度に検討した培養基材への糖鎖の固定に関する条件を応用し,E構造をもつ糖鎖を固定した分化促進用の培養デバイスを試作する。
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