研究課題/領域番号 |
23K24471
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補助金の研究課題番号 |
22H03212 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野々村 祝夫 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30263263)
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研究分担者 |
柴 知史 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 特任研究員 (00797003)
山田 拓司 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (10437262)
谷内田 真一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20359920)
松下 慎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (40824785)
藤田 和利 近畿大学, 医学部, 准教授 (50636181)
波多野 浩士 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60762234)
岡田 随象 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70727411)
中村 昇太 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (90432434)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | prostate cancer / microbiome / life style / metabolome analysis / short chain fatty acid / metagenome analysis / GWAS / lifestyle / 前立腺癌 / 腸内細菌 / メタゲノム解析 / メタボローム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
腸内細菌叢解析から得られたメタボローム解析結果における男性ホルモン様物質産生細菌の同定と、男性ホルモン様物質が本当に前立腺癌の増殖に促進的に作用するのかどうかの検証をin vitro, in vivoの実験系で行う。その他の代謝産物に関しても検討する。 また、生活習慣アンケートの結果から得られたデータをもとに、前立腺癌の高リスク集団の抽出を行う。
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研究実績の概要 |
現在までに、大阪大学泌尿器科および近畿大学泌尿器科を受診し、前立腺生検を受けた患者166例(生検陰性61例、前立腺癌患者107名)の直腸スワブから腸内細菌DNAを抽出し、ショットガン解析を終了している。またその150名から採取した血液よりDNAを抽出しGWAS解析を終了した。また、これらの症例における生活習慣アンケートの取得を終えている。これまでに多症例の前立腺癌患者のGWAS解析の結果が報告されており、BBJ sumstats (EAS; Sakaue et al. 2022, case = 5,672, control = 84,660)およびPRACTICAL sumstats (EUR; Schumacher et al. 2018, case = 79,194, control = 61,112)のデータを用いて多遺伝子リスクスコア(polygenetic risk score (PRS))を統計学的に作成した。 さらに、PRSと今回の166例のGWAS結果を用いて解析を行うと、有意にPRSは前立腺癌と関連を認めた。 一方、患者から得られた直腸スワブを用いて16sRNAシーケンスを実施した。先のPRSを用いて腸内細菌叢との関連解析を行ったところ、疾患特異性SNPと特定の腸内細菌叢には明確な相関を認めなかった。これはおそらく、サンプルサイズが小さいことに起因すると考え、さらに採取献体w数を増やすため、前記2施設意外にも5施設からのサンプル供与を頂くことにした。現在さらに症例登録数を増やしている。 興味深いことに、前立腺肥大の有無と腸内細菌叢には相関が認め、Firmicutes/ Bacteroidetes (F/B) 比が有意に前立腺肥大症の患者で高いことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初目標としていた300例には達していないものの、生検受診者における腸内細菌叢の解析と、血液を用いたGWAS解析が行えた。GWAS解析に基づくpolygenic risk score (PRS) を作成したところ、PRSは前立腺癌と有意な相関を認めた。また、登録患者の生活習慣アンケートの取得も終了している。より研究結果の信憑性を上げるため、症例登録数の増加を図り、進めている。
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今後の研究の推進方策 |
当初目的の300例には達していないまでも、GWASに基づくRPSと前立腺癌には、有意な相関を認めたが、肝腎の腸内細菌叢との相関を得るまでには至らなかったため、さらに症例を追加する必要があると考える。 全国、7施設(大阪大学泌尿器科、近畿大学泌尿器科にさらに5施設を加えて)で、前立腺生検受験者の直腸スワブと生活習慣アンケートの収集を行い、更なる解析を行うこととし、すでに症例を増やしつつある。目標症例数を1000例に設定した。
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