研究課題/領域番号 |
23K24477
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補助金の研究課題番号 |
22H03218 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
植村 天受 近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
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研究分担者 |
デベラスコ マルコ 近畿大学, 医学部, 講師 (20449838)
南 高文 近畿大学, 医学部, 准教授 (70340809)
原田 守 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (50260716)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / ペプチドワクチン / 複合免疫療法 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬(IO-drug)が登場して以来、種々の固形癌に対しIO-drugを用いた治療の有効性が大きく示され、腎細胞癌においては抗PD-1抗体/CTLA-4抗体やTKI/IO-drugの複合免疫療法の有用性が示され、すでに、進行腎細胞癌治療の初期治療の主流となっている。そこで今回の目的は、我々の開発したペプチドワクチンとIO-drugとの併用による複合免疫療法の有用性(抗腫瘍免疫増強効果)について、実際の臨床検体(腫瘍組織、末梢血単核球細胞、血清、腫瘍浸潤免疫担当細胞)を用いて検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の初年度は、2020年からのCOVID19感染拡大の影響を受け、加えて当病院内において大規模クラスターが複数回発生したことも大きく影響し、サンプル収集に苦慮した。昨年2022年度は、ようやくCOVID19感染拡大が落ち着き、通常の癌治療が実行できるようになったことから、IO-drug治療前後の血液サンプルが目標の20例を達成し、同時に手術による腫瘍組織サンプルもストックすることができた。血液サンプルは、血漿とPBMCとして液体窒素に保存しており、腫瘍サンプルは凍結標本(-80℃)とパラフィンブロックとして保存している。CTL誘導能についてのアッセイをいきなり行うのではなく、腫瘍微小免疫環境と免疫療法の治療効果と何かしらの密接な関連性が存在するという観点から、まず、腫瘍組織を用いた腫瘍浸潤免疫担当細胞の師匠環境に関するパイロット研究を計画した。IOベース複合免疫療法により、効果があった数症例と全く効果のなかった数症例について、パイロットスタディとして、多重IHCによる腫瘍内浸潤細胞の免疫プロファイルについて検討してみた。具体的には、手術によって得られた腎癌組織の免疫関連分子に対するMulticolarIHC(多重染色)を施行し、免疫担当細胞の免疫学的機能について細胞表面マーカーなどの発現を検討し、種々の結果を得た。結果に基づきMulticolor FCMやMass cytometerを用いた免疫プロファイリングを施行する予定である。なお、後述しているが、腫瘍微小免疫環境と治療効果に関するパイロット研究の一部の結果は、2024年4月の日本泌尿器科学会総会でポスター発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記6にも記載したが、手術によって得られた腎癌組織の免疫関連分子に対するMulticolar IHC(多重染色)をパイロットスタディとして施行し、種々の結果を得た。今回、癌部分とStroma部分をマッピングし、個別にイメージアナライザーを用いて治療効果と発現パターンの関連について検討した。また、得られた多くのデータに関してCatB機械学習アルゴリズムを用いて、predictive modelを検討した。一部の結果は、2024年4月27日に日本泌尿器科学会総会で報告する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今回、泌尿器科学会で報告する予定のマーカーセットについて、パイロットスタディから、症例数を多くしたうえで、有用性についてvalidateする。その結果から微調節の上、血液サンプルを用いたワクチン・癌特異的CTL誘導能との関連性を検証する予定である。
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