研究課題/領域番号 |
23K24487
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補助金の研究課題番号 |
22H03228 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岩田 卓 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30296652)
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研究分担者 |
大多 茂樹 国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (20365406)
加藤 侑希 日本大学, 医学部, 助教 (60733649)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 腫瘍浸潤リンパ球 / 子宮頸癌 / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍浸潤リンパ球輸注療法(TIL療法)はTILを患者腫瘍から大量に誘導し、骨髄抑制した患者に輸注する免疫療法であり、現時点で最も効果が高い免疫療法と考えられている。申請者は2021年1月に子宮頸癌に対する先進医療としてTIL療法の認可を得たうえで、7月より患者登録を開始した。一方で本療法には改善すべき課題も多い。特に、高い効果が期待できる症例を選択するバイオマーカーの探索、抗腫瘍効果を発揮するTILの認識抗原解析、高い腫瘍障害活性を有するTILの作成、TILの品質評価法の確立、が喫緊の課題である。これらの課題に取り組み、安全かつ抗腫瘍効果の高いTIL療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本年は、先進医療であるTIL療法が中断となり、新規患者検体が入手できなかったため、既存の患者検体を用いて、全ゲノムシークエンスを実施するとともに、TIL製剤の培養法の改良を行った。 全ゲノムシークエンスの結果、62遺伝子で腫瘍特異的な範囲が検出された。この中には1個のframeshift変異と2個のstop gain変異が含まれていた。 TIL培養法の検討では、これまで、TILの急速拡大培養に用いる末梢血単核球は採取後6カ月以内としていたが、採取後18か月から24カ月のPBMCを用いても、TILの増殖および、INF-rの産生に影響がなく、製品概要書を満たした品質のTIL製剤が製造できることが示された。 さらに近年、TILを活性化できるようなcompoundの開発がTIL療法改善のテーマとして重要とされている。本研究でTILを活性化するcompoundの同定を試みた。まず腫瘍細胞株のB16とOVA peptideを用いて、OT-1マウス由来のT細胞の反応性を見た次にマウスPD-1抗体、glycogen synthase kinase (GSK)-3β阻害薬のTWS-119、ACAT1/2阻害薬のrubimaillin、酸化ストレス産生を防止する急性虚血性脳梗塞治療薬のedaravone、そしてグルコシルセラミド合成酵素阻害薬のDL-PPMPの5つのcompoundを用いてTILを培養した。その後、compoundのTIL活性化への影響をELISA法によるIFN-γ放出量の解析やmitochondria activityにより評価した。結果、TWS-119がTILの活性化に有用であるとの知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、先進医療であるTIL療法を行った患者検体を用いて、免疫応答を解析するものであるが、TIL製剤の製造を受託していた株式会社テラが破産し、TIL療法の中断を余儀なくされ、新規検体を入手できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
既に2024年4月に、TIL療法を再開した。今後は新たな患者検体の解析を当初の実験系か買うに基づき行うとともに、より品質の高いTIL培養法の検討を行う。
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