研究課題/領域番号 |
23K24489
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補助金の研究課題番号 |
22H03230 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
塚本 智史 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 本部 安全管理部, 課長 (80510693)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 脂肪滴 / 受精卵 / マウス / 脂質 / 着床 / フラグメンテーション |
研究開始時の研究の概要 |
ほ乳動物の卵子や受精卵には脂肪滴が蓄えられることが古くから知られているが、脂肪滴の存在意義の多くは不明である。最近、申請者らはマウスの卵子から非破壊的に脂肪滴だけを取り除く技法を開発して、この方法で作製した脂肪滴除去卵は卵割時に細胞質の断片化(フラグメンテーション)を起こすことを見出した。フラグメンテーションはヒトの受精卵の品質評価の指標となるほど胚発生と密接に関わっている。本研究では、卵子や受精卵に蓄えられた脂肪滴とフラグメンテーションの関係性を多角的な解析によって明らかにすることで、脂肪滴の存在意義の理解を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、ヒトの受精卵の品質評価の指標になっている受精後に起こるフラグメンテーションと細胞内に蓄えられる脂肪滴の関係性を、マウス卵子からの脂肪滴単離技術を駆使して明らかにすることが目的である。 本研究は、私たちが開発した脂肪滴単離技術を用いて①単離した脂肪滴のリピドーム解析、②フラグメンテーションモデル卵(Pcyt1a欠損卵)の解析、③フラグメンテーション抑制実験の3つの研究計画から成る。 今年度は、マウスの卵子から単離した脂肪滴に含まれるリン脂質種の同定を試みた。マウスのMII期卵子(MII卵)200-250個から単離して集めた脂肪滴から脂質成分を抽出して、質量分析装置を用いてリピドーム解析を行った。数回のリピドーム解析を行い、再現良く検出した脂質種をMII卵の脂肪滴特異的な脂質種の候補とした。得られた結果は、他のほ乳動物細胞(体細胞)を用いたリピドーム解析の結果と比較することで、最終的にMII卵の脂肪滴に固有の脂質種を決定した。 これまでの解析から、マウスの卵子の脂肪滴に固有の脂質種を多数同定することに成功している。今後は、同定した脂質種が受精卵のフラグメンテーションに及ぼす影響(フラグメンテーションを促進するのか、抑制するのか)に着目して、研究を推進していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでのところ計画通りに研究が遂行しており、MII卵の脂肪滴に特徴的な脂質成分を複数同定している。一方で、マウスのMII卵から採取した脂肪滴を用いたリピドーム解析には想定以上に経費が必要となったため、当初の予定よりも分析回数が少なくなってしまった。現時点ではリピドーム解析は受託しているため、将来的には共同研究ベースの研究を展開することも再考したい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の計画で用いる遺伝子改変マウスはすでに作製済みであり、予備実験を始めている。また、本年度の研究からマウスMII卵の脂肪滴には、他の体細胞と比較して、特徴的な脂質種が含まれることが明らかとなったため、これらの脂質種を化学合成して培地に添加することで、受精卵の発生やフラグメンテーションに及ぼす影響を解析できる準備も進めている。
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