研究課題/領域番号 |
23K24500
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補助金の研究課題番号 |
22H03241 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
福田 慎一 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80643246)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | ダイレクトリプログラミング / 緑内障 / 網膜神経節細胞 / ライブイメージング / グリア細胞 / 視神経 / 神経再生 |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障は、眼球と脳を繋ぐ視神経が障害を受け、視野が徐々に欠損する疾患であり、世界の緑内障患者は約7600万人に達する。一度喪失した視野は回復させることが出来ないため、最終的には失明に至る場合もある。緑内障で障害される網膜神経節細胞は、光情報を脳へ伝達する重要な役割を担っている。現在、眼圧を下降させる事が唯一証明されている有効な治療法であるが、眼圧下降治療は進行を抑制するだけで、一度失われた神経は回復しないため欠損した視野が回復する事はない。本研究では、ダイレクトリプログラミング法を用いて網膜の構成細胞の一つであるミュラーグリア細胞から網膜神経節細胞を再生させる事を目指す。
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研究実績の概要 |
緑内障は、眼球と脳を繋ぐ視神経が障害を受け、視野が徐々に欠損する疾患であり、世界の緑内障患者は約7600万人に達する。一度喪失した視野は回復させることが出来ないため、最終的には失明に至る場合もある。緑内障で障害される網膜神経節細胞(RGC)は、網膜の最も内側に存在し、光情報を脳へ伝達する重要な役割を担っている。現在、眼圧を下降させる事が唯一証明されている有効な治療法であるが、眼圧下降治療は進行を抑制するだけで、一度失われた神経は回復しないため欠損した視野が回復する事はない。また、眼圧下降治療に反応しない緑内障患者が少なからず存在し、神経を再生させる再生医療の登場が期待されている。近年、iPS細胞などの多能性幹細胞の段階を経ずに直接的に目的の細胞に分化を転換するダイレクトリプログラミング法が注目されている。魚などの脊椎動物では、網膜が成熟した後でも、網膜の構成細胞の一つであるミュラーグリア細胞からRGCを分化させることができるが、哺乳動物ではこの経路が遮断されていると考えられていた。近年、幼弱なマウスのミュラーグリア細胞に対しダイレクトリプログラミングを用いてRGCなどの神経細胞に分化させることが報告された。一方で老化した細胞では、リプログラミングの効率が落ちる事が知られており、老齢なマウスの網膜でダイレクトリプログラミングに成功した報告はない。緑内障は高齢者の疾患であるため、将来的に実際に治療を行う際には老化した細胞を多く含んでおり、ダイレクトリプログラムが起こりづらいと考えれる。RGCにリプログラムされると緑に光るシステムを作成し、成体マウスでRGCの再生を行った。また、エピジェネティクス制御によりリプログラミング効率が改善する事を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々のシステムは、ベクター(誘導因子)が導入され神経にまでリプログラムされるとスイッチがONとなり緑(EGFP)に光る。グリア細胞以外の細胞に導入されてもこのシステムは働かない。これまでin vivoにおいて網膜神経節細胞(RGC)へのダイレクトリプログラミングを系統的に検討できるシステムはなかったが、近年マウスのグリア細胞を蛍光色素で標識し、遺伝子導入によりその形態が変化し軸索の進展を確認する事でリプログラミングを評価する方法が報告された。グリア細胞のプロモーター(GFAP)下に蛍光色素が発光するシステムであるため、神経にリプログラミングされるとGFAPの発現が低下し蛍光色素の強度も弱くなり長期的な観察には向かない。これまで脳神経領域も含め、神経細胞へのダイレクトリプログラミングを経時的にライブイメージングで観察した報告はない。RGCは、その軸索を脳まで伸ばすため長期的な観察が必要である。我々のシステムを用いて数十種類の転写因子および低分子化合物の組み合わせをin vivoでスクリーニングし、さらにはライブイメージングを行った。近年、2光子顕微鏡を用いてマウスの網膜細胞の1個1個を3次元的に超高解像度でリアルタイムに観察できる事が報告された (Takihara Y, PNAS 2015)。2光子顕微鏡を用いてのライブイメージングも行った。
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今後の研究の推進方策 |
緑内障で障害されるRGCは、眼の網膜で受け取られた視覚刺激を脳に中継する働きを持っており、哺乳類のRGCは形態や機能的な違いから40種類以上のサブタイプに分類され、それぞれが異なる視覚情報を脳に運ぶ(Rheaume RA, et al. Nat Commun 2018)。ライブイメージングにより形態観察により、どのRGCのサブタイプにリプログラミングされたかのグループ分けを行い、蛍光色素陽性細胞をFACSで回収し、RNAシークエンスによる経時的なシグナルの変化や、どの因子がどのサブタイプに分化させたかを検討する。また、網膜内の他の神経細胞をAAVで別の波長の蛍光色素にあらかじめ標識する事で、既存の神経とダイレクトリプログラムされたRGCとのシナプス形成・空間的関係を評価する。
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