研究課題/領域番号 |
23K24502
|
補助金の研究課題番号 |
22H03243 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
安川 力 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00324632)
|
研究分担者 |
野崎 実穂 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00295601)
平原 修一郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00723462)
平野 佳男 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (40405163)
加藤 亜紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (60405157)
小椋 俊太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (10770430)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
|
キーワード | 加齢黄斑変性 / 網膜色素上皮 / パキコロイド / 眼科学 / マクロファージ / リポタンパク / 肥満細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢黄斑変性(AMD)は視覚障害の主要原因の難治性疾患である。網膜色素上皮(RPE)は網膜の恒常性維持に不可欠でありAMDの病態に深く関与している。現在、滲出型AMDに対しては血管内皮増殖因子(VEGF)阻害療法などで治療されるが、RPEの萎縮や萎縮型AMDの治療法は確立していない。RPEの加齢変化と病態を解明することで、新規治療法の開発に繋がる。我々はRPEの生理機能に関連した加齢変化であるRPE下の脂質沈着に注目し、「疾患発症に繋がる慢性炎症はそもそも脂質沈着排除とブルッフ膜リモデリング機構である」という観点で、RPEと肥満細胞とマクロファージの役割を中心に病態解明を目指す。
|
研究実績の概要 |
加齢黄斑変性(AMD)は視覚障害の主要原因である。網膜色素上皮(RPE)は恒常性維持に不可欠でAMDの病態に関与している。滲出型AMDに対して治療されるが、RPE下の脂質沈着や萎縮など病態背景に介入する治療はなく、萎縮型AMDの治療法もない。RPE関連の加齢変化と病態を解明することで、滲出型AMDの発症予防や萎縮型AMDに対する新規治療法の開発に繋がる。我々はRPEの生理機能に関連した加齢変化であるRPE下の脂質沈着に注目してきたが、「疾患発症に繋がる慢性炎症はそもそも脂質沈着排除とブルッフ膜リモデリング機構である」という観点で、RPEと肥満細胞とマクロファージの役割を中心に病態解明を目指す。 前年度までに光傷害モデルとして脂質沈着マウス(apoE ノックアウトマウス[KO mice])に対し、レーザー脈絡膜新生血管(CNV)誘発モデルを用いて沈着脂質のCNV発生への影響について評価したところ、光線曝露、加齢、脂質沈着はCNV発生のリスクであることが示唆された。次に、AMDの中でもアジアに多いポリープ状脈絡膜血管症(PCV)モデルを作製するため、まず正常家兎の眼底画像、光干渉断層計(OCT)画像が取得できることを確認した。今後、bFGF含有マイクロスフェアを上脈絡膜腔に埋植することにより実験的に脈絡膜浮腫を誘導し、それがPCVの特徴であるパキコロイド(厚い脈絡膜)、脈絡膜静脈の拡張を再現できるか調査する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教授の入れ替えに伴い、研究室の秘書、実験助手、中堅医師の退職などで、実験業務のサポートが手薄になっていた状況が持続、動物実験部分・免疫染色・蛋白分析を担当する予定の研究分担者の小椋俊太郎が米国ワシントン大学に留学したため、動物実験の肥満細胞脱顆粒(萎縮型AMD)モデルの作製し、免疫染色、細胞単離・培養、シングルセルRNAシーケンスの部分の実験ができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
インドネシアのBrawijaya大学からEka Rahmawati Wahyuningsih医師を国費留学生として、受け入れ、大学院に入学した。彼女の学位論文のための研究テーマとして、実験に参画してもらうこととした。まず、脳神経生理学の飛田秀樹教授の研究協力の下、実験に必要な免疫染色、ウエスタンブロット、ELISAなどの手技を習得(2023年9月ー2024年3月)、2024年4月から網膜色素上皮細胞の3次元球体培養(RPE-スフェロイド作製)を開始、免疫染色を開始予定である。 肥満細胞脱顆粒(萎縮型AMD)モデル作製は米国留学中の小椋俊太郎医師と連絡をとりながら行う予定であるが、予備的実験として、さらに、京都大学大学院医学研究科形成外科学 「細胞バイオテクノロジー」田畑グループの特任教授の田畑泰彦氏に酸性ゼラチンマイクロスフェアを提供を受けた。これを使って、bFGF含浸酸性ゼラチンマイクロスフェアを上脈絡膜腔に埋植することで実験的に脈絡膜浮腫を誘導し、パキコロイド(厚い脈絡膜)、脈絡膜静脈拡張を再現できるか調査する。 その他、動物実験を推進するために卸業者から中古の硝子体手術機器を購入する予定である。また、再生医療の細胞シートをファーマバイオ社から供給してもらう予定である。
|