研究課題/領域番号 |
23K24509
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補助金の研究課題番号 |
22H03250 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
森 秀樹 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (60325389)
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研究分担者 |
池田 善久 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (00735318)
村上 正基 宮崎大学, 医学部, 客員教授 (20278302)
神野 雅文 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (30274335)
白石 研 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80710863)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | Reduced HMGB1 / 非平衡大気圧プラズマ / 創傷治癒 / HMGB1 / 還元 / プラズマ / 還元状態 / 角化細胞 / 還元型 HMGB1 |
研究開始時の研究の概要 |
核内タンパクである還元型HMGB1は抗炎症作用を持つことがわかってきたが、細胞外では速やかに酸化されてその機能を失う。そこで我々は、酸化型HMGB1を還元状態に戻しかつ維持できる方法として、プラズマに着目した。最近実用化された非平衡大気圧プラズマは、生体に対しても熱の影響なく照射することが可能で、さらに抗菌作用や抗炎症作用をもち、創傷治癒も促進させることがわかってきた。本研究では、プラズマ照射により維持される還元型HMGB1の効果とプラズ照射自体がもつ、殺菌・抗炎症・創傷治癒の多面的な効果を期待した難治性皮膚荷葉に対する全く新しいコンセプトの創傷治癒薬を開発することを目指す。
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研究実績の概要 |
1)プラズマによるHMGB1の還元。HMGB1のプラスミドを使用し、細胞障害性が出ない最適条件(電圧、波長、照射時間)でプラズマ照射を行った。HMGB1はプラズマ照射により分解されてしまい、目的の還元状態に到達することはできなかった。そのため、プラズマに用いるガスをCO2やそのほかのガスに変更し、培養液内で還元作用を起こす計画を進行中。 2)培養角化細胞への直接作用の検証。単層培養角化細胞に対しReduced-HMGB1を加えた培養液をプラズマ照射の有無、還元薬使用の有無により4群に分け、細胞の生存率、アポトーシス、細胞増殖、遊走能、分化誘導などを検討し、プラズマ照射による還元型HMGB1の効果を解析した。単層培養角化細胞のスクラッチテストでは、プラズマ照射群で有意に細胞増殖・または遊走能の活性化がみられ、それに加えてHMGB1を添加した群ではさらに有意な結果を得られた。 3)通常マウスBalbcの背面に8mmパンチで創傷を作製し、マウスの背部に2秒間プラズマを照射後、HMGB1を含む溶液をパッチテスターで貼付した。プラズマ照射及びHMGB1含有テスターの交換は2日ごとに行い、プラズマ照射群で創傷治癒の促進がみられた。 4)poly(I:C)を用いて角化細胞を刺激して炎症性サイトカインを誘導し、プラズマの抗殺菌効果、抗炎症効果を検討し、一定の効果が得られたが、HMGB1含有群を含め有意差はみられなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プラズマによるHMGB1の還元状態を起こすことが未だできていない。あまり強く長いプラズマを照射するとHMGB1自体が壊れてしまうため、弱く短いプラズマで、プラズマ照射に用いるガスや環境を変えつつ模索している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
今回の研究実験の過程で、プラズマとHMGB1 Bboxによる創傷治癒作用の促進効果を見出す事ができた。引き続きHMGB1の還元効果をもつプラズマを作製していく。 また、マウスの創傷治癒実験を進めていく予定
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