研究課題/領域番号 |
23K24519
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補助金の研究課題番号 |
22H03261 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 智彦 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (50510723)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 炎症 / 小胞体ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
慢性炎症は、がん、骨軟骨疾患、歯周炎、シェーグレン症候群などの様々な慢性疾患の発症に関与することが知られている。近年、これら疾患患部において、小胞体ストレスが観察されることが報告されており、慢性炎症に対する小胞体ストレスの連関が示唆されている。実際、炎症と小胞体ストレスの連関に関与する可能性の高い遺伝子を同定しているが、その連関メカニズムの詳細は不明である。そこで本研究では、炎症と小胞体ストレスの連関に関与する遺伝子に着目し、炎症と小胞体ストレスの連関機序と慢性疾患病態における役割の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
細胞における炎症応答にはNF-κB経路が重要であることが知られている。そこで、骨髄細胞由来マクロファージを用いて、小胞体ストレスによるNF-κB経路への影響を解析した。小胞体ストレス誘導剤としては糖鎖付加阻害薬であるツニカマイシンを用いた。解析の結果、小胞体ストレスがNF-κB経路を活性化させていることを確認した。一方、小胞体ストレスによるNF-κB経路の活性化のみでは少なくともマクロファージの十分な炎症応答には至っていないこともわかった。続いて、NF-κB経路の活性化誘導に直接小胞体ストレス関連転写因子が関与する可能性があるため、主な小胞体ストレス関連転写因子をレンチウイルスシステムを用いてマクロファージに過剰発現させ、NF-κB経路の発現変動を分子細胞生物学的手法に解析した。その結果、小胞体ストレス関連転写因子の過剰発現はNF-κB経路の活性化を誘導しなかった。一方、小胞体ストレスによってLPS誘導性の炎症応答は増強された。この小胞体ストレスによる炎症応答の増強効果は、小胞体ストレス負荷時間に依存して増加した。この結果は小胞体ストレスによる細胞応答が炎症応答の増強に関わっていることを示唆していた。以上から、小胞体ストレスはNF-κB経路を活性化させるものの、単独では炎症応答を十分に誘導しないが、LPSによる炎症応答を増強する作用があることがわかった。また、この小胞体ストレスによる炎症応答の増強作用にはNF-κB経路だけではなく、小胞体ストレス依存的な未同定の経路が関わる可能性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小胞体ストレスと炎症の連関に関わる未同定の経路の存在を見出しており、注力すべきポイントが見えてきた。このように小胞体ストレスと炎症の連関に関わる分子機構の解析が進んでいるため、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
小胞体ストレスによる炎症応答の増強メカニズムの解析をさらに進める。また生体内における小胞体ストレスと炎症の連関を解析するために、マウス炎症モデルにおける小胞体ストレスの関与を調べる。さらに関連する遺伝子改変マウスの作製を行い、マウス炎症モデルにおける関連遺伝子の機能を解析する。
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