研究課題/領域番号 |
23K24522
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補助金の研究課題番号 |
22H03264 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
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研究分担者 |
田中 準一 昭和大学, 歯学部, 准教授 (40710166)
安原 理佳 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20453649)
行森 茜 昭和大学, 歯学部, 助教 (60813748)
石田 尚子 昭和大学, 歯学部, 助教 (00882531)
渡辺 貴志 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 技師 (50406815)
大庭 伸介 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20466733)
阪井 丘芳 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (90379082)
馬渕 洋 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (50424172)
鯨岡 聡子 昭和大学, 歯学部, 助教 (90824673)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 唾液腺 / エピジェネチック制御 / 幹細胞 / 多分化能 / マルチオーム解析 / エピジェネティック制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、遺伝子発現を制御し細胞の多様性を決定するメカニズムとして知られるエピジェネティック制御機構に着目し、唾液腺幹細胞の多分化能維持におけるその役割を解明する。本目的のため、単一細胞レベルでの網羅的遺伝子解析とエピゲノム変化による転写活性を組合せることにより、より多種の細胞について詳細な唾液腺細胞系譜解析を行う。得られた結果をもとに、唾液腺幹細胞の多分化能の制御因子を同定し、遺伝子改変唾液腺オルガノイドを用いてその機能を解析する。
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研究実績の概要 |
前年度までに決定された条件に従って、Chromium Nuclei Isolation Kit(10xGENOMICS)を用いて、胎生13.5日齢のマウス顎下腺および胎生16日齢のマウス顎下腺より核を単離した。得られた細胞核の数は、胎生13.5日齢のマウス顎下腺から7,176核、および胎生16日齢から8,612核であった。次に、Chromium Next GEM Single Cell Multiome ATAC + Gene Expression Reagents(10xGENOMICS)を用いて単離した核からDNAとRNAをそれぞれ抽出しNGSを用いてエピゲノムおよび遺伝子発現解析を行った。すなわち。遠心により単離した核を集め、トランスポゼースを含んだ混合液を加え、オープンクロマチン領域へのoligoDNAとアダプター配列を付加した。Single Cell Multiome ATAC + GEX Gel Beadsを加え核ごとのエマルジョンに分画し、バーコードの付加されたoligoDNAとアダプター付加cDNAの合成を行った。エマルジョンを破壊し、バーコード付加されたDNAとcDNAをPCRにより増幅しNGSライブラリーを作製し、NGSによるシークエンスを行った。scATACseqとscRNAseqのそれぞれの解析結果をUMAPで展開し、さらに、既知のマーカー遺伝子、幹細胞マーカ(胎生期);CK5, c-Kit, 筋上皮マーカー;Acta2, Myh11、基底細胞マーカー;Krt5,14、導管細胞マーカー; Krt7, 8, 18、腺房細胞マーカー; Aqp5を用いて、UMAPで展開された各クラスターのアノテーションを行った。加えて、得られた遺伝子発現パターンとオープンクロマチン領域を比較し、その相関性を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り胎生13.5日齢のマウス顎下腺および胎生16日齢のマウス顎下腺における、マルチオーム解析が完了したので概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得られた胎生13.5日齢の顎下腺、胎生16日齢の顎下腺のシングルセルマルチオーム解析データーと、本年度得られる予定の生後8週齢のシングルセルマルチオーム解析データーを統合的に解析し、trajectory解析により唾液腺幹細胞の多分化能を規定する転写因子を同定する。同定された転写因子のオープンクロマチン領域における転写因子のモチーフ解析により、多分化能関連因子の転写制御に関与している転写因子を同定する。マウスの唾液腺における同定した転写因子の発現を免疫組織化学により解析する。加えて、同定された転写因子の機能を解析する目的で、Doxycycline存在下で遺伝子発現が誘導可能なプラスミドベクター(piggyBack vector,PB-TAC-ERN)を利用して、薬剤誘導性に同定された遺伝子を発現するマウスES細胞ないしヒトiPS細胞を作製する。作製したこれらの多能性幹細胞から、我々が確立した手法を用いて唾液腺オルガノイドを誘導し、導入した遺伝子の機能を解析する。
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