研究課題/領域番号 |
23K24523
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補助金の研究課題番号 |
22H03265 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梶川 哲宏 東北大学, 大学病院, 講師 (90611252)
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研究分担者 |
鈴木 茂樹 東北大学, 大学病院, 講師 (30549762)
山田 聡 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40359849)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | エフェロサイトーシス / 歯周組織 / 好中球 / マクロファージ / 核内受容体 / 免疫細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
生体内には不要となった細胞、あるいはその分解産物を排除するエフェロサイトーシスと呼ばれるプロセスが存在する。近年、エフェロサイトーシスの持つ役割として、単に不要産物を除去するだけではなく、マクロファージのリプログラミングを行うという作用が報告された。実際、エフェロサイトーシスはアテローム硬化症、大腸炎、肺線維症などの病態において重要な役割を担うことがわかっている。本研究では、いまだ歯周組織における役割が不明であるエフェロサイトーシスの機能を、特に好中球に注目することで明らかとし、さらにはエフェロサイトーシス関連分子を標的とした新規歯周炎治療薬の開発の可能性を見出す。
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研究実績の概要 |
エフェロサイトーシスは従来生体内から不要産物を除去する単なるプロセスである考えられていたが、全身組織においては様々な作用を持つことが報告されている。例えば、大腸においては大腸炎の発症の予防に重要な役割を担うが、一方で腫瘍細胞の増殖を促進し症状悪化につながる。しかしながら、歯周組織におけるエフェロサイトーシスの役割はいまだ不明である。 これまでの研究成果として、まずはじめに蛍光免疫染色やファゴソーム内で蛍光シグナルが生成されるシステムを利用したフローサイトメトリー解析を用いることで、歯周組織においてエフェロサイトーシスが活発に生じていることを示した。 次に、絹糸結紮歯周炎モデルを使用することで誘導された炎症歯周組織から、セルソーターを用いて歯周組織マクロファージを単離し、リアルタイムPCR法により遺伝子発現のフェノタイプを調べた。その結果、興味深いことに、炎症歯周組織マクロファージにおいては、Mertk, Abca1といったエフェロサイトーシス関連シグナル遺伝子の発現が上昇していた。 また、同様の方法で得られた歯周組織において、M2マクロファージ数の有意な増加を認めたことから、炎症歯周組織において、エフェロサイトーシスが炎症制御の役割を担っていることが示唆された。 このことをin vivoにおいて実証するために、コンディショナルノックアウトマウスを用いた実験を計画し、凍結胚の輸入、続けて個体化復元を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コンディショナルノックアウトマウスの導入時期に関して、動物飼育施設改修工事の影響も重なり、当初の予定より遅延が生じた。現在、同マウスの導入は完了しており、実験を行うために十分な数のマウスを確保するため、マウスの繁殖作業に取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
コンディショナルノックアウトマウスを繁殖させ、コントロールマウスと共に、絹糸結紮歯周炎モデルや歯周組織再生モデルを適用し、歯周組織におけるエフェロサイトーシスの機能評価を行う。 また、エフェロサイトーシス関連シグナルを活性化するアゴニストの効果を調べることで、歯周病新規治療法の開発の可能性について模索する。
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