研究課題/領域番号 |
23K24547
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補助金の研究課題番号 |
22H03289 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
常松 貴明 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (70726752)
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研究分担者 |
吉川 治孝 徳島大学, 先端酵素学研究所, 助教 (60709567)
北村 直也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (70351921)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | HPV陽性癌 / 脱ユビキチン化酵素 / HPV陽性がん / 頭頸部癌 / ユビキチン化 / HPV |
研究開始時の研究の概要 |
HPV陽性扁平上皮癌は子宮頸部では90% 以上、頭頸部癌では10% 程度を占める重要な扁平上皮癌の亜型である。近年、子宮頸癌ワクチンとしてHPV ワクチンが開発されたことで、欧米では発症率が大幅に減少したものの、本邦では副反応が問題になったことで、接種率が低いこと、また男性は接種しないことから依然として発生率の高い癌の一つである。そのため、特異的な分子標的治療法の開発は臨床上の重要な課題である。本研究では、申請者らが見出したHPVウイルスタンパク質であるE6、E7からなる新規タンパク質複合体の性状を最新の定量プロテオミクスを用いて解析し、HPV陽性扁平上皮癌の分子標的治療の分子基盤の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
ヒトパピローマウイルス(HPV)陽性扁平上皮癌は子宮頸癌と頭頸部癌にみられる特徴的な癌であり、ハイリスクHPVの感染によりウイルスタンパク質が宿主タンパクの機能阻害や新たな機能の獲得を誘導することで、発がんに至ると考えられている。しかしながら、有効な分子標的治療は 未だ開発されておらず、分子標的の同定を念頭においた分子基盤の確立が急務である。研究代表者らは、これまでに脱ユビキチン化酵素に対するsiRNAライブラリを用いて、HPV陽性扁平上皮癌に致死を誘導する分子のRNAiスクリーニングを行い、MPN domain containing (MPND)を同定した。 MPNDがHPVウイルスタンパク質であるE6、E7と結合し、タンパク質複合体を形成していた。本研究では最新の定量プロテオミクスを用いて、この新規タンパク質複合体の性状を解析することで、HPV陽性扁平上皮癌の新たな病因論の創出を目指した研究である。 本年度は前述のように同定したMPNDの解析を進めるにあたって、市販品の抗MPND抗体を複数購入し、検討をおこなったもののいずれもMPNDの検出はできなかった。そこで、受託にて抗MPND抗体の作成を行い、現在、抗体品質の検証実験を行っている。これまでの研究結果からMPNDはHPV由来のウイルスタンパク質であるE6やE7と結合し、複合体を形成することを明らかにしている。しかしながら、この複合体を免疫沈降で検出するためには細胞可溶化液に超音波処理を行う必要があることが判明した。細胞内局在の結果と併せ、本複合体はクロマチンに結合していると推測され、研究計画当初のサイズ排除クロマトグラフィーを用いた方法のみでは複合体構成因子の同定は困難であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述のようにMPNDの解析を進めるにあたって、市販品の抗MPND抗体を複数購入したが、いずれもMPNDの検出はできなかったため、当初の研究計画で計画していたサイズ排除クロマトグラフィーを用いた複合体の形成状態の解析や口腔がん臨床サンプルにおけるMPNDの発現解析に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
前述のように受託にて抗MPND抗体の作成を行い、現在、抗体品質の検証実験を行っている。検証実験が終了次第、遅れが生じているサイズ排除クロマトグラフィーを用いた複合体の形成状態の解析や口腔がん臨床サンプルにおけるMPNDの発現解析を遂行する。また、前述のように本研究で着目するMPND複合体はクロマチンに結合していると推測され、研究計画当初のサイズ排除クロマトグラフィーを用いた方法のみでは複合体構成因子の同定は困難であるため、BioIDと呼ばれる目的タンパク質 の近傍に存在するタンパク質をビオチン化する方法を行い、 MPND複合体の相互作用タンパク質の同定を試みる計画である。
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