研究課題/領域番号 |
23K24571
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補助金の研究課題番号 |
22H03313 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石見 拓 京都大学, 医学研究科, 教授 (60437291)
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研究分担者 |
木口 雄之 京都大学, 医学研究科, 研究員 (30724380)
入澤 太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (50379202)
西村 哲郎 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70646679)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2026年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 院外心停止 / 心肺蘇生 / 健康関連QOL / レジストリ / 機械学習 / 救急蘇生学 / 心臓突然死 / 集中治療 / 病院前救急医療 / 心停止後症候群 / 治療体制 |
研究開始時の研究の概要 |
院外心停止は救命後、生活の質Quality of Life, QOLが損なわれる事が多いがQOL改善に寄与する治療や効果的な治療対象、患者・家族の意思に基づく治療選択方法が検討されていない。本研究目的は多施設共同院外心停止レジストリに健康関連QOL、患者家族の治療選択に関わるデータベースを追加しQOL改善を可能とする治療戦略基盤を確立する事である。対象は院外心停止例で従来の疫学分析手法と機械学習を用い①QOL改善に寄与する治療の特定②当該治療戦略が適用可能な患者の特定③患者とその家族が治療戦略を選択する事が可能となる情報を検討し法学アカデミア、市民代表を交え社会的合意形成に向け多面的議論を行う
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研究実績の概要 |
本研究は、代表者らがこれまでに構築した多施設共同院外心停止レジストリ(基盤研究B、研究代表者 石見拓 H27~31)を継続・発展させ、健康関連QOL (Quality of Life)、患者・家族の治療選択に関わるデータベースを追加し、①患者・家族の意思を踏まえた院外心停止の治療戦略の構築、②QOL改善に寄与する治療、及び効果的治療対象の検討、③終末期の患者・家族の治療選択に関わる要因の検討を目的とする。 令和4年度は、レジストリの運用を継続、データを前向きに登録・分析し、令和2年12月までの21,100例の症例についてデータを確定した。体外循環式心肺蘇生で治療された院外心停止患者の臨床的転帰、院外心停止患者の予後予測モデル、ST上昇のない院外心停止患者の心電図所見の診断精度などの研究について国際誌へ掲載、米国心臓協会年次学術集会などの国際学会でも報告した。 令和5年度からパイロット研究を実施するQOLや終末期の患者・家族の治療選択に関する情報に関して、共同研究機関との定期的なミーティングで具体的な収集項目、収集方法を定めた。さらに、データ登録方法や登録情報の確認体制の改善のために、従来のWeb症例登録システムを見直し、新規のシステム会社(TXP medical㈱)との契約に至った。従来のシステムの入力画面は踏襲しつつ、以下の事項について改良を行った。①入力者がわかりやすいように入力項目の定義を入力画面上でも表示する、②入力ミスについて自動でアラートを出す仕組みを強化する、③新規収集項目は個別プロトコルとし既存のコア項目との違いをわかりやすくした。上記のようにデータベースを改良し、QOLや終末期の患者・家族の治療選択に関わるパイロット研究のための体制を整え、当初の計画通り実施する見込みが得られた。パイロット研究で抽出された課題について議論を進め、本登録を開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、代表者らがこれまでに構築した多施設共同院外心停止レジストリを継続・発展させ、健康関連QOL、患者・家族の治療選択に関わるデータベースを追加し、院外心停止患者のQOL改善を可能とする治療戦略基盤を確立することを目的とする。レジストリの運用については、令和2年12月までの21,100例の症例についてデータを確定し、前年までと同様のペースで症例登録は順調に推移し、成果についても複数の論文や国際学会を含む発表で、継続的に報告できている。 令和4年度は令和5年度から情報収集を開始するQOLや終末期の患者・家族の治療選択に関する追加のデータベース構築に向けて、共同研究機関との定期的なミーティングで、本レジストリの発展について了承を得るとともに、追加の収集項目や収集方法の詳細を決定した。さらに、現在参加している大阪府下の救命救急センター以外にも救急受け入れ機関の参加を呼び掛けた結果、沖縄県の救命救急センター等が参加を表明しており、研究協力体制を構築・拡充できた。 また、これまでに使用していたWeb症例登録システムを見直し、新規のシステム運用事業者と契約した。新システムでは共同研究機関との議論も踏まえて、入力項目の定義を入力画面上でも表示、自動アラートの強化、追加収集項目の別画面で作成するなどの改善を加えたシステムを構築した。令和5年1月から新システムの運用を開始しているが、システム変更後も参加施設からの症例登録は滞りなく進んでおり、大きな問題がないことを確認している。 当初の研究スケジュールにおいて、令和4年度は研究協力体制を確立、パイロット研究開始のための準備期間としていた。上記の通りこれらは達成できており、研究は概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者らが構築・運用している多施設共同院外心停止レジストリについては、年間約2000症例の症例集積を実現しており、引き続き症例の蓄積を進める。登録されたデータについては、専任のデータマネージャーがデータの質を維持するとともに、現場の負担を軽減し症例登録しやすい環境を整え、症例数を確保する。研究分担者・協力者、参加施設との打ち合わせを定期的に開催し、研究の質向上を図るとともに、集積されたデータの解析、国内・国際学会での発表、論文作成を進める。解析テーマとしては、「高齢者と若年者での治療内容の違い」、「COVID-19流行前後の院外心停止患者の治療方針の変化」などの研究テーマについて解析を予定している。 さらに、追加のデータベース構築に関して、終末期の患者・家族の治療選択に関する収集項目は、既にWebシステム上で入力画面を作成済であり、令和5年6月より登録を開始する予定である。QOLの情報については、より精緻で回答率の高いデータ取得を目指して、当初予定していた紙の質問紙を郵送する方法から、ショートメッセージサービス(SMS)を利用して収集する方法を計画している。IRBへの申請や収集体制の確立ができ次第、データ収集の開始を目指している。これら追加で収集する情報に関しては、まずはパイロット研究の形で開始し、情報収集の方法や実際に収集していく中での疑問や課題について参加施設と十分に議論した後に、本登録を開始する予定としている。症例が集積された後にデータ解析を開始し、救命後のQOLや患者・家族の意思を尊重した院外心停止治療戦略の提言を目指していく。提言にあたっては、現在参加している救命救急センター等の医療機関以外にも、法学アカデミア、市民代表を交えた多面的議論の場を設けることを計画しており、その方法も検討を進めていく。
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