研究課題/領域番号 |
23K24576
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補助金の研究課題番号 |
22H03318 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
土屋 慶子 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 教授 (20631823)
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研究分担者 |
中村 京太 大阪大学, 医学部附属病院, 特任教授(常勤) (00287731)
佐藤 仁 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 講師 (70453040)
安部 猛 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80621375)
齊藤 剛史 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (10379654)
冬野 美晴 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (30642681)
種市 瑛 立教大学, 外国語教育研究センター, 教育講師 (80833235)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 医療コミュニケーション / マルチモーダル分析 / 視線解析 / レジリエント・ヘルスケア / AR (augmented reality) / ヘルスコミュニケーション / 医療安全 / マルチモダリティ / 共同注視 / 談話・語用論研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題は医療の質と安全を向上するための比較的新しい考え方である、レジリエント・ヘルスケアの概念を援用した医療者間相互行為のマルチモーダル研究です。事故のリスクだけではなく、日常の上手くいっている医療行為に着目し、医療者たちがそのような臨機応変な実践をいかに可能にしているのかに注目します。具体的には、手術チームのコミュニケーション・データを収録して、言葉、動作、視線などのマルチモーダルな要素を分析し、チームメンバー間で状況認識を共有する過程を明らかにします。複数視線情報を解析するためのシステム開発や、AR(augmented reality)を用いた医療シミュレータの試作も視野に入れています。
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研究実績の概要 |
2023年度は、日英でのシミュレーションデータ収録、1つの論文掲載、5つの学会発表(うち3つは海外学会、ポスター発表3を含む)を行った。 2023年度前半は、日英にて2つの視線解析メガネ(医師と看護師が着用)と360カメラを使用し、小規模医療シミュレーション訓練データの収録を行った(6月に日本で3セッション、8月にUKで2セッション)。また日本での麻酔科シミュレーション・データをもとに、情報提示行為と視線追従行為を用いた共同基盤構築の過程を分析した論文をLanguage and Health創刊号に寄稿し、掲載された。 2023年度後半は、情報工学を専門とする研究分担者と研究室に所属する若手研究者が、深層学習を用いた視線解析支援システムに着手した。2つの視線解析メガネで収録した医師と看護師の視線データを統合的に分析するため、共同注視の対象を自動的にアノテーションするアプリケーションの開発を進めている。またシミュレーションの映像データから、複数医療者の頭部姿勢を推定するアプリケーションの開発も進めている。研究成果の一部を RCEM (Royal College of Emergency Medicine) Annual Scientific Conference 2023(9月)、ヘルスコミュニケーションウィーク2023(10月)、第18回医療の質・安全学会 学術集会(11月)、 CGIP(Computer Graphics and Image Processing) 2024 (12月)にて発表した。年間を通して、日本・英国の協力者とのプロジェクト・ミーティング(各3回)を行い、日本の病院での視察も継続している(計8回)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本でのデータ収録はほぼ予定通りに進んでいるが、UKでの倫理承認に予想以上に時間がかかり、予定していた医療シミュレーション・シナリオの変更や進捗の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度前半は、これまで日英で収録したデータをもとに、医療チーム相互行為を共同注視と共通基盤構築に注目し分析を進め、論文投稿準備を進める。研究結果の一部を、ESTIDIA (European Society for Transcultural and Interdisciplinary Dialogue) Conference 2024にて発表予定(6月、ヴィリニュス、パネルセッションの企画)であり、またInternational Forum of Quality and Safety Healthcare Conference 2024 (8月、香港)、EUSEM (European Society of Emergency Medicine) Confernece 2024(10月、コペンハーゲン)に抄録を投稿済みである。研究協力者とともに、複数視線データの自動アノテーションと頭部姿勢推定のためのアプリケーション開発を継続し、またそれらを活用して医療チーム相互行為のマルチモーダル分析手法の確立を目指す。 研究代表者が2024年9月から1年間サバティカルを取得し在外研究に入るため、2024年度後半から2025年前半にかけて、研究プロジェクトの進捗を遅らせる予定である。
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