配分額 *注記 |
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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研究実績の概要 |
「在宅移行期にある多疾患併存状態の高齢者に関し在宅医療機関宛診療情報提供書を作成する病院医が在宅医に提供すべき情報」の同定という目的の達成に向け、下記の調査を行った。 【方法】2022年12月-2023年1月,関連学会・調査会社経由にて,過去3年以内の在宅医療経験を有する卒後6年目以上の医師に協力を依頼し(慶應義塾大学看護医療学部研究倫理委員会承認307),回答者属性,不備のあった項目とその際の対応や要望を問う調査を行い185名分の有効回答を得た. 【結果】回答者の卒後年数平均22.0(SD=10.2),在宅医療経験年数平均10.9(SD=8.0), 在勤地は神奈川(16%),東京(13%),大阪(12%),宮城・愛知・兵庫(各11%)の順に多かった. 不備項目は,患者の要望(96%),家族の意向(92%),家族の人物像・介護力(各91%),増悪・急変対応や再入院可否(各91%)の順に多かった.その中で再入院の可否だけは医療連携室経由での確認が最多(37%),その他の場合には患者・家族に聞くという対応が最多(要望66%;意向58%;人物像49%;介護力58%;増悪・急変46%)であった.一方,不備があっても対応しない項目として処方根拠と,書類作成上必要な情報が挙げられた. 【考察】不備項目の中には,増悪・急変対応のように医療連携室・患者・家族経由での確認や主治医への書面照会では正確性・即時性が損なわれうる情報が含まれていた.今後は回答者の経験年数や地域と回答傾向の関連性を分析し,より正確な実態把握を目指す.また不備でも対応しない項目は,その適切性や理由を自由記述回答等を手掛かりに探る必要がある.その上で各種書式の標準化・共用や,退院前カンファレンスのような口頭・同期型情報共有の可能性や課題を論じる必要もある.
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