研究課題/領域番号 |
23K24584
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補助金の研究課題番号 |
22H03326 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
島津 太一 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 室長 (00466202)
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研究分担者 |
齋藤 順子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 研究員 (30782354)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 実装科学 / 実装研究 / 喫煙対策 / クラスターランダム化比較試験 / 職域 / 禁煙支援 |
研究開始時の研究の概要 |
職場は喫煙率が高い層に効率的働きかけを行える場であるが、資源の限られた中小事業所での喫煙対策は進んでいない。本研究では、事業主/健康管理担当者の喫煙対策に対する認識・行動を変える介入により、喫煙する従業員をエビデンスの確立された禁煙治療につなげる。通常の保健指導のみと比較した介入効果をクラスターランダム化比較試験により検証する。また、混合研究法により、組織レベルの介入が組織の管理者、従業員の態度・行動に及ぼす変化のメカニズムを明らかにする。本研究は、エビデンスに基づく介入の社会実装の有効なモデルを示すもので、他分野への展開が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、事業主/健康管理担当者の喫煙対策に対する認識・行動を変えることで、禁煙を支援する組織風土を醸成し、喫煙する従業員をエビデンスの確立された禁煙治療につなげることも目的としている。従業員への働きかけはすべて事業主/健康管理担当者を通して行われる。通常の保健指導のみと比較した介入効果をクラスターランダム化比較試験により検証する。また、質的研究手法により、組織レベルの介入が組織の管理者、従業員の態度・行動に及ぼす変化のメカニズムを明らかにする。 2022年4月以降の研究期間中に、介入群20事業所、対照群18事業所の登録を完了した。評価の対象となるベースライン時点での喫煙者は約3,000名であった。2022年12月までに介入群のすべての事業所における介入を完遂し、介入開始6か月後の主要評価項目についてデータ収集を完了した。禁煙に成功したと答えた喫煙者については、唾液中コチニン濃度の測定により喫煙状況の確認を行った。2021年6月から禁煙外来の禁煙治療薬バレニクリンの出荷が停止されているが、代替手段としてニコチン置換療法を活用できることから、介入は継続できた。2022年11月からは、対照群への介入を開始した。 本研究で用いた介入の開発についての論文を報告した(Odawara M, et al. Front Public Health. 2022;10:873769.)。本論文では、実装マッピング implementation mapping の手法を用い、中小事業所において健康増進活動が十分に実施されていない理由と、どうしたら実施できるのかを分析し、日本の中小事業所で健康増進活動を職場で定着させる介入(実装戦略 implementation strategy )を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
介入群における6か月間の介入、主要評価項目のデータ収集までを完遂できたため。
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今後の研究の推進方策 |
介入開始6か月後の主要評価項目の解析を2023年12月までに完了し、2024年3月までに論文投稿を行う。介入開始12か月後の評価項目のデータ収集(12か月後調査)は、2023年8月末までに全事業所で完了する予定である。12か月後調査では、新しい介入の定着や統合プロセスについてのインタビューも行い、事業主や担当者の実装の継続だけでなく、組織としての実装の定着やルーティン化も評価する。 2023年度以降も、対照群への介入を継続して行う。一部の対照群事業所については、介入のスケールアップを見据え、協会けんぽ支部保健師が介入者となって介入を実施する。事業所の文脈によって異なる介入のadaptationについて、フレームワークを用いて整理し分析するなど、いくつかのプロセス評価について論文化をすすめる。
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