研究課題/領域番号 |
23K24592
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補助金の研究課題番号 |
22H03334 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
福島 若葉 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70420734)
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研究分担者 |
城戸 康年 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90511395)
大藤 さとこ 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70433290)
中釜 悠 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60846880)
加瀬 哲男 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (10175276)
松浦 知香 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 助教 (50623237)
近藤 亨子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 技術職員 (80420727)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 新型コロナウイルス感染症 / ワクチン / 抗体応答 / メタボロミクス |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らが先行して実施している「新型コロナワクチンの有効性と安全性に関する前向きコホート研究」に参加したワクチン接種者の保存血清を用いて、トリプトファン代謝経路あるいは胆汁酸代謝経路のバイオマーカーを測定し、抗体応答との関連を検討する。日本人においてmRNA新型コロナワクチン接種後に良好な免疫応答を示す者のプロファイルをヒト代謝の観点から明らかにし、今後、各種ワクチンの主要プラットフォームの1つになるであろうmRNAワクチンに関する基礎的知見の基盤形成にも貢献する。
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研究実績の概要 |
令和4(2022)年6月に、先行研究「大阪府におけるCOVID-19ワクチンの有効性と安全性に関する前向きコホート研究」で登録した対象者の追跡を完了した。その後、取得した試料と情報を本研究で使用するにあたり、以下の準備作業を行った。
1)解析対象の整理:先行研究では、最終的に接種群508人、非接種群97人を登録した。このうち、本研究のデータ解析に必要な情報が揃っており、追跡期間中のCOVID-19感染がなかった者は、接種群484人、非接種群53人であった。非接種群については、追跡の途中で接種を受けることを希望し接種群に移行(23人)、追跡の途中で接種を受けたことが事後的に判明(17人)、追跡の途中で他のワクチンの治験参加を希望(1人)、などの理由により、所定の回数の採血を完了した者が少なくなった。接種群の製剤の内訳は、ファイザー社469人、モデルナ社14人、アストラゼネカ社1人であった。 2)抗体価の再測定:抗S抗体価はアボット社とロシュ社の試薬を用いて測定したが、特に2回目接種4週後の抗体価が測定上限を超えるケースが散見されたため、適宜希釈の上、再測定を行った。 3)背景情報の分析:ファイザー社ワクチン接種者469人の特性を集計し、抗体価との関連を評価した。医療従事者は271人(58%)、男性は145人(31%)であった。年齢、体重、BMIの中央値は、それぞれ43歳、55kg、21.5kg/m2であった。重回帰分析の結果、1回目接種3週後(=2回目接種前)、2回目接種4週後、2回目接種6か月後の各測定ポイントの抗S抗体価は、年齢とのみ、有意な負の関連を示した。また、アボット社とロシュ社の試薬で測定した抗S抗体価の動態は異なることが示されたため(Matsuura T, et al. Vaccine 2022;先行研究の実績として論文公表)、本研究でも考慮が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、令和4(2022)年度中に、ベースラインの血清を使用してトリプトファン代謝経路あるいは胆汁酸代謝経路のバイオマーカーを測定するとともに、測定値の分布の確認や、接種者の「1回目接種3週後(=2回目接種前)」「2回目接種4週後」の抗S抗体価との関連について予備解析を行う予定であったが、達成できなかった。理由は倫理審査との兼ね合いによるもので、詳細は以下の通りである。 本研究では、先行研究「大阪府におけるCOVID-19ワクチンの有効性と安全性に関する前向きコホート研究」で取得済みの既存試料・既存情報を使用すること、先行研究と相当の関連性がある場合の二次利用にあたることから、オプトアウトを行った上で研究を進めることとしている。先行研究で登録した対象者の追跡完了後、当学の医学系研究等倫理審査委員会に本研究の審査を申請する準備を進めていたが、先行研究で取得した試料・情報の二次利用の可能性について、先行研究の同意説明文では説明していたものの、先行研究の研究計画書で明記されていないことが指摘された。先行研究は臨床研究法の努力義務として、当学の認定臨床研究審査委員会での審査を受けていたため、変更申請に時間を要した。先行研究の変更申請は、令和4(2022)年12月9日付で実施許可が発出され、jRCTでの研究計画公表も同年12月19日で完了したが、本研究の倫理審査を令和4(2022)年度内に完了することができず、ベースラインの血清を使用したバイオマーカー測定と予備解析ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5(2023)年度前期に、ベースライン時および6か月後のバイオマーカーを一括して測定する。その後、速やかに本解析に入り、研究を進める。
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