研究課題/領域番号 |
23K24599
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補助金の研究課題番号 |
22H03341 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
西村 泰光 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (90360271)
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研究分担者 |
山内 明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80372431)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 悪性中皮腫 / 抗腫瘍免疫 / 免疫チェックポイント阻害薬 / バイオマーカー / 石綿 / 中皮腫 / 免疫チェックポイント / 細胞傷害性T細胞 / NK細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性中皮腫はアスベスト曝露で引き起こされる特有の悪性疾患(がん)であり、曝露から約40年を経て発症することから日本では現在悪性中皮腫患者が増加している。近年注目される免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は中皮腫治療にも適用されるようになったが、治療効果には差があり、悪性中皮腫の適切な治療方針に寄与する効果的なバイオマーカーが求められている。そこで、我々はこれまで明らかにしてきたアスベスト曝露と悪性中皮腫に関連する免疫機能の知見に基づき、中皮腫のICI治療効果に係わる免疫機能の特徴を明らかにする研究を計画した。これにより、ICI治療効果予測・効果判定に寄与する免疫機能動態の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
これまで悪性中皮腫発症の背景に石綿曝露の免疫抑制作用が関わることを報告してきた。また、中皮腫患者の免疫チェックポイント阻害薬(ICI)ニボルマブ治療前後の末梢血の包括的免疫機能解析を行い、部分奏効PR症例において、NKのIFN-γ 産生誘導能が高く、活性化CTLが多く、Treg細胞が多いという特徴を観察した。そこで、各免疫細胞集団における免疫機能関連遺伝子の治療前後の発現量変動を症例間で比較し、中皮腫のニボルマブ治療効果に関わる免疫学的特徴の把握、およびその予測因子の探索を試みた。ニボルマブ治療の治療効果をPD, SD, PRと判別した。末梢血よりPBMCを調整し、蛍光標識抗体およびFACS Ariaを用いてCD4+T細胞, CD8+T細胞, NK細胞および単球を単離し凍結保存、一部は24時間培養後(単球以外はPMA, ionomycin刺激下)に凍結保存した。その結果、PR症例における治療3ヶ月後の特徴として、CTLにおけるPDCD-1の減少と刺激後のUBE2E3の増加が、NKにおけるNKp46の増加が、Thにおける刺激後のTNF-αの増加が観察された。CTLのPDCD-1発現量はGranzyme BやPerforin の刺激後の発現量と負の相関性を示し、UBE2E3はGranzyme B, Perforin, FasL と強く正に相関した。また、NKのPDCD1はNKp46, Granmzyme B, IFN-γと有意に負の相関性を示し、NKp46とGranzyme Bとは有意に正の相関性を示した。PR症例におけるCTLの細胞傷害性の亢進、およびNK細胞機能の亢進が推察される。我々はこれまでに悪性中皮腫患者末梢血リンパ球の特徴としてNK細胞におけるNKp46発現量の低下を報告してきた。PRのNK細胞におけるNKp46発現量の増加は機能回復を意味し、悪性中皮腫に対するニボルマブなどICIの治療奏効との密接な関係を示唆する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従い、悪性中皮腫患者のリンパ球について各細胞集団の機能プロファイリングを進め、ニボルマブの治療奏効に関わるT細胞やNK細胞におけるPDCD1の発現量変動と逆相相関する免疫機能遺伝子の発現量変動を捉えることができた。現在、過去の研究成果に照らして最も重要な知見であるNK細胞におけるNKp46遺伝子発現量の回復について、ヒトNK細胞株を用いた実験的検証を進めている。従って、本研究課題の当初の計画にそって研究は概ね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、これまでに収集した悪性中皮腫患者検体のデータの包括的な統計解析(多変量解析)による統合的な免疫機能動態の理解をすすめると共に、ヒトNK細胞株NK-92および悪性中皮腫細胞株NCI-H2052 (sarcomatoid type), MSTO-211H (biphasic type) を用いた細胞培養実験と遺伝子発現量変動解析を進めており、それらより、悪性中皮腫患者の免疫チェックポイント阻害薬治療の効果を予測する免疫動態の特徴の実態解明、および新規免疫機能遺伝子の探索を行う。
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