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核酸ワクチンやゲノム編集遺伝子治療に係る安全性の評価と安全な運用に資する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K24601
補助金の研究課題番号 22H03343 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

小野 竜一  国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 室長 (10401358)

研究分担者 高田 修治  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 部長 (20382856)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
キーワードゲノム編集 / mRNAワクチン / レトロトランスポゾン / レトロトランスポソン
研究開始時の研究の概要

申請者は、マウス受精卵にゲノム編集を実施した際、およそ 20 % の胚の DNAの二重鎖切断 (DSB ; DNA double strand break) 部位にレト ロトランスポゾンや内在性遺伝子の逆転写産物、および ベクターの DNA 断片が挿入されることを明らかにしている。

この様な非意図な配列の挿入は、ゲノム編集遺伝子治療の障害となると同時に、mRNA ワクチンの逆転写産物がゲノム中に挿入される可能性を 示唆している。そこで、ゲノム編集の際にオンターゲット部位に非意図配列や mRNA ワクチンの逆転写産物挿入のリスクの可能性を検討し、そ れを回避する手段の開発を行う。

研究実績の概要

申請者らは、マウス受精卵においてゲノム編集を実施した際に、およそ20%の胚の DNAの二重鎖切断 (DSB ; DNA double strand break) 部位(オンター ゲットサイト)にレトロトランスポゾンや内在性レトロウィルス、内在性遺伝子の逆転写産物、および CRISPR/Cas9 プラスミドの DNA 断片が挿入されるオン ターゲットリスクが存在することを報告している(Ono R., et al., Scientific Reports, 2015)。さらに、エクソソームを介して他動物種より細胞に取り込ま れた mRNA の逆転写産物が、オンターゲットサイトに取り込まれる、すなわち、エクソソームを介した遺伝子水平伝搬機構が存在することを明らかにしている (Ono R., et al., Communications Biology, 2019)。

この様な非意図配列の挿入(オンターゲットリスク)は、ゲノム編集遺伝子治療の大きな障害となると同時に、COVID-19のワクチンとして使用されている mRNA ワクチンの逆転写産物がゲノム中に挿入される可能性を示唆している。そこで、本研究の目的は、ゲノム編集の際にオンターゲットサイトに非意図配列および mRNA ワクチンの逆転写産物が挿入するオンターゲットリスクの可能性を検討し、それらを回避する手段の開発である。

2023年度研究においては、昨年度に開発に成功したデジタルPCRを利用したmRNAの逆転写効率の検出方法を利用して、マウス受精卵中のレトロトランスポゾンのコピー数を定量を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、昨年度に作成したモデルmRNAをインジェクションしたマウス受精卵を材料に、我々が開発したデジタルPCRを利用したmRNAの逆転写効率の検出方法を利用して、マウス受精卵中のレトロトランスポゾンの定量を行っていることから、当初の予定通りに本研究課題は進展している。

今後の研究の推進方策

これまでに、デジタルPCRにより1コピーの検出を行うことが難しいことが判明した。そこで、ゲノム中に複数コピー存在する配列をリファレ ンスとすることで、絶対定量の精度が上がることが期待される。そこで、来年度は、これらのリファレンス配列を用いることで、受精卵や培養 細胞中のEGFPのコピー数の絶対定量を行う。また、ゲノム編集における非意図配列挿入に関わる候補遺伝子の単離に成功しており、これらの遺伝子を欠損させて培養細胞を作製し、それらの評価を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Extracellular vesicle small RNAs secreted from mouse amniotic fluid induced by repeated oral administration of VPA to pregnant mice2024

    • 著者名/発表者名
      Ono Ryuichi、Kuwagata Makiko、Naruse Mie、Watanabe Akihito、Takano Masao、Hasegawa Takuro、Takashima Hiromasa、Yoshioka Yusuke、Ochiya Takahiro、Hirabayashi Yoko、Kitajima Satoshi
    • 雑誌名

      Fundamental Toxicological Sciences

      巻: 11 号: 1 ページ: 37-56

    • DOI

      10.2131/fts.11.37

    • ISSN
      2189-115X
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Molecular Networks of Platinum Drugs and Their Interaction with microRNAs in Cancer2023

    • 著者名/発表者名
      Tanabe Shihori、Boonstra Eger、Hong Taehun、Quader Sabina、Ono Ryuichi、Cabral Horacio、Aoyagi Kazuhiko、Yokozaki Hiroshi、Perkins Edward J.、Sasaki Hiroki
    • 雑誌名

      Genes

      巻: 14 号: 11 ページ: 2073-2073

    • DOI

      10.3390/genes14112073

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Extracellular Vesicles (EVs) as Novel Toxicity Biomarkers2024

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Ono
    • 学会等名
      ANNUAL MEETING of Society of Toxicology
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] cfDNAメチル化とエクソソームRNAを毒性指標としたリキッドバイオプシー2023

    • 著者名/発表者名
      小野 竜一
    • 学会等名
      日本毒性学会学術年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] エクソソームを介した遺伝子水平伝搬2023

    • 著者名/発表者名
      小野 竜一
    • 学会等名
      日本毒性学会学術年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Liquid biopsy using cfDNA methylation and EV-associated miRNA as a toxicity biomarker、The 10th International Congress of Asian Society of Toxicology2023

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Ono
    • 学会等名
      International Congress of Asian Society of Toxicology
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] cfDNAによる毒性評価2022

    • 著者名/発表者名
      小野竜一, 山本 雄介, 成瀬 美衣, 田邊 思帆里, 吉岡 祐亮, 相崎 健一, 広瀬 明彦, 落谷 孝広, 平林 容子, 北嶋 聡
    • 学会等名
      日本毒性学会学術年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Horizontal Gene transfer mediated by exosomes: a possible new risk for genome editing.2022

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Ono
    • 学会等名
      International Congress of Toxicology
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ゲノム編集技術を利用した際の、オンターゲット部位における非意図配列の挿入と、その検出方法の確立2022

    • 著者名/発表者名
      小野 竜一、田埜 慶子, 安田 智, 佐藤 陽治, 内田 恵理子, 平林 容子, 北嶋 聡
    • 学会等名
      日本食品衛生学会学術年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Toxicity Concerns of Exosome Products.2022

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Ono
    • 学会等名
      American College of Toxicology
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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