研究課題/領域番号 |
23K24629
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補助金の研究課題番号 |
22H03371 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中山 登志子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (60415560)
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研究分担者 |
舟島 なをみ 清泉女学院大学, 看護学部, 教授 (00229098)
松田 安弘 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (10290545)
山下 暢子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (30279632)
亀岡 智美 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 教授 (50323415)
植田 満美子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 助手 (70827063)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2026年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 研究指導能力 / 趣旨論文指導 / 博士論文指導 / FDモデル / 看護系大学院 / 修士課程教育 / 博士課程教育 / 看護学教員 / 卒後教育 / 修士論文指導 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、看護系大学院教育に携わる教員の研究指導能力向上に資する修士・博士課程教育連動型FDモデルの開発を目的とする。FDモデルの中核に位置づくのは修士論文、博士論文各々を完成に導く教員の研究指導能力を測定できる尺度である。この尺度は、教員の研究指導経験を質的帰納的に解明し、これを基盤に開発する。その後、開発した尺度の診断結果に基づきFDプログラムを編成し、これを教員の研究指導能力向上を目的としたFDモデルとして体系化する。 本モデル開発の意義は、各大学院に所属する教員の研究指導能力の状況に即し、教員が修士論文・博士論文の指導に必要な各能力を連動して獲得・向上できる系統的なFDの実現である。
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研究実績の概要 |
看護系大学院修士・博士課程教育連動型FDモデルの構築に不可欠な「修士論文指導能力診断尺度」および「博士論文指導能力診断尺度」の開発に向け、以下の研究を実施した。 1.「修士論文指導能力診断尺度」の開発(調査1) 看護学の修士論文指導に携わる教員の研究指導経験を表す26概念を基盤に研究指導能力を測定できる質問項目24を作成し5段階リカート型尺度を作成した。尺度検討会とパイロットスタディを通して質問項目を洗練した。全国大学院の研究科長に協力を依頼し、承諾の得られた105校に質問紙674部を配付した。回収した質問紙210部(回収率31.2%)にパイロットスタディの回答を加え有効回答236部を分析した。再テスト法による尺度の安定性の検討に向け有効回答73部を分析した。項目反応理論の段階反応モデルを適用し15項目を選択した。統計学的な手法を用いて分析し、尺度が信頼性と妥当性を備えていることを確認した。本尺度は、修士論文指導に携わる教員が、尺度を用いた自己評価を通して研究指導能力を客観的に理解し能力向上に向けた課題を見出すために活用できる。 2.博士論文指導に必要な能力の質的解明(調査2) 看護系大学院に在籍し博士課程の指導教員として5年以内に修了生を輩出した教員14名を対象に半構造化面接法を用いてデータを収集し、飽和化の確認によりデータ収集を終了した。収集したデータを質的帰納的に分析した結果、博士論文指導に携わる教員の研究指導経験を表す21概念が創出された。21概念には、【博士論文評価基準適用による研究各段階の査定と基準充足可否に即した指導実施】【指導継続による研究者としての学生理解の深化と理解に即した学生との相互行為実現】等を含む。本研究の成果は、教員が自己の研究指導状況を理解し、指導の質を自己評価するために活用できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度・5年度の2年間の目標は、「修士論文指導能力診断尺度」の完成(目標1)および、博士論文指導に必要な能力の質的解明(目標2)であった。 目標1:看護学の修士論文指導に携わる教員の研究指導経験を表す26概念を基盤に質問項目を作成し、信頼性と妥当性を備えた尺度「研究指導能力自己評価尺度-修士論文指導用-」を開発した。本研究の成果は、2024年8月開催予定の日本看護学教育学会第34回学術集会に発表する予定である。 目標2:看護系大学院に在籍し博士課程の指導教員として5年以内に修了生を輩出した教員14名より研究指導経験を聴取し質的帰納的に分析し、博士論文指導に携わる教員の研究指導経験を表す21概念を創出した。本研究の成果は、2024年8月開催予定の日本看護教育学学会第33回学術集会に発表する予定である。 以上より、令和4年度・5年度の2年間の目標を達成しており、当初の研究計画に沿って順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度の計画は、「研究指導能力自己評価尺度-博士論文指導用-」を開発することである。現在までに、本尺度開発の基盤となる博士論文指導に携わる教員の研究指導経験を既に解明している。そのため、次の通り研究を推進する。 博士論文指導に携わる教員の研究指導経験を基盤に、博士論文指導に必要な能力を測定できる質問項目を作成し尺度化する。尺度検討会、予備調査を実施し、尺度の妥当性の内容的側面を検討する。その後、全国調査を実施し、尺度の信頼性・妥当性を検討する。 また、わが国の看護卒後教育に関する研究成果は極めて少ないため、昨年度、産出した研究成果「研究指導能力自己評価尺度-修士論文指導用-」および「看護系大学院の博士論文指導に携わる教員の研究指導経験」を看護系学会に原著論文として投稿する予定である。
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