研究課題/領域番号 |
23K24643
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補助金の研究課題番号 |
22H03385 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
柿原 奈保子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50588762)
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研究分担者 |
佐藤 英世 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60235380)
笹本 龍太 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60345501)
中野 智成 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80885517)
佐藤 茉美 新潟大学, 日本酒学センター, 特任助教 (40893235)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | 放射線皮膚障害 / スキンケア / フラボノイド / 酸化ストレス / 看護ケア開発 / 細胞修復 / 抗酸化 / セリシン / 保湿 / フラボノイドセリシン |
研究開始時の研究の概要 |
がんの治療法のひとつである放射線療法では、連続する放射線照射により放射線皮膚障害が発生する。この放射線皮膚障害は、通常の加齢や熱傷などで生じるドライスキンとはメカニズムが異なる。しかし、現状では、わが国の多くの病院でも医療用保湿剤であるヘパリン類似物質による保湿ケアが取り入れられている。この保湿ケアだけでは、保湿する効果は一定程度期待できるが、放射線照射による皮膚の細胞へのダメージは軽減できない。本研究では放射線照射による細胞へのダメージを軽減できる物質を特定した。これを用いた新たなスキンケアの開発をして実用化し、患者の放射線皮膚障害の軽減ができること目的としている。
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研究実績の概要 |
がん治療方法の一つである放射線治療では、放射線治療自体は短時間での照射で痛みなど苦痛を伴うことはない。しかし、一定線量を越えるような放射線治療を要する場合に、その副作用である放射線皮膚障害に苦しむ患者が多い。その苦痛により本来目的である放射線治療を断念することもある。そのような弊害を減少させて放射線治療を継続できるような新しいケアを開発することを目的としている。これまで現状としては、放射線皮膚炎でも症状としては乾燥した状態の皮膚になる事から、通常の乾燥皮膚として医療用保湿剤やステロイド剤を処方して塗布していることが多い。それでも一定線量を越えるとびらんを引き起こし強い痛みが生じる状況にある。 我々の研究では、乾燥に着目するのではなく、放射線照射によって生じる皮膚障害の特有のメカニズムに着目している。それは、照射による酸化ストレスから生じるDNA損傷である。この酸化ストレスを抑制あるいは修復するようなケアを考案したいと考えている。 本年度は、まず効果のあるような成分の特定をするためにヒトケラチノサイト細胞を用いて、照射前後で照射による酸化ストレスを最小限に抑えることができる可能性のある物質を実験検証した。そのなかでフラボノイドによって抑制することが再現実験を繰り返し確認された。次に多くのフラボノイドの中でもどのフラボノイド成分が効果的かを検証した。その結果、フラボノイドであればすべてが効果的なのではなく、緑繭のセリシンに含まれるフラボノイドに有意に効果があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、細胞実験での検証のみの予定であった。様々なフラボノイドとの比較検証などを重ねた結果、フラボノイドセリシンの有効性が再現実験にて確認できた。そのため臨床での研究にも進めることができた。しかし、現在既に臨床研究でのデータ収集に取り掛かっている状況にある。研究代表者のみで臨床データを収集することからこれは時間が相当かかることが予想されている。現在、細胞実験結果について、海外論文投稿最終準備をしている段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究データ収集は研究代表者のみで実施することから研究の推進のために、バイアウトにて演習・実習時間を減らし、臨床研究データを集めていく時間を増やす予定である。
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