研究課題/領域番号 |
23K24645
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補助金の研究課題番号 |
22H03387 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹之内 沙弥香 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00520016)
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研究分担者 |
森 雅紀 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (10771868)
田村 恵子 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30730197)
木澤 義之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80289181)
宮下 光令 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90301142)
魚住 龍史 東京工業大学, 工学院, 准教授 (30738836)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 意思決定支援 / アドバンス・ケア・プランニング / 看護倫理 / 緩和ケア / 進行がん |
研究開始時の研究の概要 |
緩和目的の化学療法が開始後6週間以内の進行がん患者を対象に、看護師と医師が協働して日本型ACP支援モデルに基づくACP支援を提供すると、通常ケア群と比較して、患者が自律的にACPに取り組めるようになり、不安・抑うつが軽減して、患者のwell-beingやQuality of Lifeが向上するか、ランダム化比較試験により検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、先行研究である実施可能性試験「がん患者が「最期まで自分らしく生きる」を支える日本型ACP看護支援モデルの評価」の結果をふまえ、日本型ACP支援モデル(以下「本モデル」とする。)を、日本の文化や医療の実状に即した内容へと最適化する。そして、がん医療・緩和ケアの臨床に本モデルを実装するランダム化比較試験により、本モデルが進行がん患にもたらす効果を検証し、その効果のメカニズムを洞察するものである。 本年度は、Feasibility RCTの解析結果をふまえ、介入群患者を対象とした質的研究を実施し、本モデルによる介入を受けた進行消化器がん患者のうち適格基準を満たす14名を対象に、患者のACP支援における経験と、患者の家族への影響、患者が持つ要望を探索した。
質的調査の結果、介入群に割り付けられた進行がん患者は、本モデルによるACP支援においてACPの支援を受ける利益はその負担を上回ると認識し、ACPの話し合いを好意的に受け止めていたことが明らかになった。また、家族がACPの話し合いを肯定的に捉えることができる場合、患者の目標や将来に望む医療・ケアの実現を目指して患者―家族間の良好な関係性が強化されることも示された。さらに、患者のACP支援に対するニーズを満たし、ACPにまつわる障壁を打開する支援策として、医療者は話し合い開始前に患者のレディネスを慎重に評価し、話し合い導入時にはその目的と意義を患者にわかりやすく説明し、家族が前向きに話し合いに同席できるように調整することなどが同定された。また、ACPを否定的に捉える患者に対しても同様に、看護師が共感的かつ受容的な態度で緊張を緩和する関わりを継続し信頼関係の構築に努めることで、患者が話し合いを拒否し苦悩する背景及び患者の価値観の理解につながり、患者中心の個別的なACP支援が可能になることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査対象者からのデータ収集において、想定よりも時間を要しました。具体的には、データ収集過程において、対象者の体調を最優先し、通院時に無理のない面談時間を確保するための特別な配慮が必要となりました。これにより、全体的なプロセスが当初の予定よりも遅延する結果となりました。
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今後の研究の推進方策 |
ACPの専門家を含む全研究分担者で、ACP支援モデルを日本の文化や臨床実践に最適化する。臨床に即したACP介入手順については、がん看護の臨床を熟知する研究分担者を筆頭に研究力者と協議し洗練する。さらに、本研究計画の倫理審査申請と承認を目指す。
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