研究課題/領域番号 |
23K24685
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補助金の研究課題番号 |
22H03427 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
大山 太 東海大学, 医学部, 准教授 (30398531)
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研究分担者 |
杉田 学 順天堂大学, 医学部, 教授 (20322414)
松本 浩樹 前橋工科大学, 工学部, 教授 (30269302)
岩本 敏志 東海大学, 医学部, 講師 (20803331)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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キーワード | 災害医療 / 遠隔医療 / 災害時通信 / 災害看護 / 災害通信 / 被災者支援 / ICT / 無線通信 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大災害時に被災地最前線で活動する看護師をICTでサポートし、被災者の命と生活を守り抜くシステムを構築する基礎研究である。この研究では、医療職の中で最も人数が多く、医療行為と生活支援を同時に考慮・実践できる看護師を、避難者の命と生活を守る支援者の中心と考える。最前線で支援活動に従事する看護師を、後方から支援する者(医師や看護師、薬剤師等)及び避難している被災者とICTを通じて常に接続するシステムで乗り切る方法を実験を通じて開発・検証する研究である。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、大規模災害発生時に現場で活動する看護師を遠隔地から支援し、被災地に住む人々の健康を支援する方法について検討することである。特に本年度は、公衆通信回線が機能しない状況を想定し、非公衆通信回線であるデジタル簡易無線を使用したデータ伝送システムの開発を行った。開発初期にはアプリケーションのプログラマー不足により進捗が遅れたが、最終的に年度内に完成することができた。実験室での通信テストは良好な結果を得た。テキストデータおよびバイナリデータの伝送が実用的なレベルで行えたことが確認された。さらに、災害現場での看護師が避難者や住民に情報を提供するための、特定小電力無線とその中継機を使用して、住民が持っているであろう一般的なスマートフォンでテキスト情報を見ることができる様なシステムも高い実用性を持って完成した。また、別の角度から研究を同時に進めている、動画像から人の呼吸回数を測定するアルゴリズムの開発も進行中であり、一定の精度での測定が可能となった。この技術は、必要とされる被災者の健康モニタリングや、支援を行う看護師の疲労度や精神状態の監視に利用可能であると考えている。現在、心拍数や酸素飽和度などの他のバイタルサインとは異なり、呼吸回数は容易に測定できる器具がないため、この技術の将来的な応用が期待されている。これらの要素を組み合わせることで、被災地で生活する人々および彼らを支援する看護師を総合的に支援するシステムの運用が可能となり、その基盤を築くことができたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度より、アプリケーションのプログラマー不足、半導体不足などにより進捗が遅れたが、その後の巻き返しで、遅れは取り戻した。当初の計画に基づいて進行し、研究の完成を目指す。実験も概ね予想していた通りの結果を示しており、今後も大幅に遅れる様なことはないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、実際のフィールドでこれらのシステムがどのように機能するかを確かめるために、フィールド実験の準備と計画を進めていく予定である。また、動画像からの呼吸カウントのアルゴリズムもほぼ完成に近く、臨床応用に向けてさらなる実験を進める方針である。 奇しくもこの研究が完成する前に、能登半島で大震災が発生してしまったが、可能であれば、今後の対策強化のためにも、現在実験中のシステムをこの震災の現場で災害直後を再現しながら実際に利用してその有効性を検証し、システムの完成度を高めたいと考えている。
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