研究課題/領域番号 |
23K24708
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補助金の研究課題番号 |
22H03450 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
兪 文偉 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (20312390)
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研究分担者 |
倉山 太一 植草学園大学, 保健医療学部, 准教授 (10624067)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 遠隔リハビリテーション / 手指剛性推定と感覚共有 / ソフトアクチュエータ / 福祉用具・支援機器 / テレリハビリテーション / ソフトロボティクス |
研究開始時の研究の概要 |
テレリハビリテーションは、社会保障制度の見直しによる在宅・訪問リハビリテーション の需要増加、療法士人材不足の解決策として期待されている。しかし、現存のテレリハビリテーションは、安全の確保のほか、ヒューマンタッチなセラピー、すなわち身体接触を伴う療法士と患者の相互作用や機能訓練の実施、セラピーの効果評価が困難であり、患者のモチベーション維持、確実な機能再建ができるか不明である。本研究は、ヒューマンタッチなテレリハビリテーションの確立を目指し、手の運動支援のみならず、遠隔で手の可動域・剛性の測定、それらの運動特性および感覚の遠隔共有の手段とする一体型スマートグローブの実現、評価を目的とする。
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研究実績の概要 |
本年度中、以下に示すように、手の運動特性推定の高精度化、運動・感覚共有ソフトアクチュエータの高度化、バーチャルリアリティー訓練環境の構築に関する実績があった。 1) 手の運動特性推定の高精度化 手指の3関節の剛性推定精度は、スマートグローブの複数モジュール型ソフトアクチュエータ間、アクチュエータと指間、およびソフトアクチュエータ固定用バンドと指、ソフトアクチュエータ間の相互作用の影響を受ける。本研究は、その推定に、ニューラルネットワークを導入することによって、それらの相互作用の影響を最低限にし、さらに、異なる幾何学寸法、剛性値を持つ指関節の推定に関する汎用性を有することを推定手法の構築ができた。学術論文1件の採択、さらに1件投稿中の成果が得られた。 2) 運動・感覚共有ソフトアクチュエータの高度化 従来の屈曲用シリンダ型チャンバにほとんど影響を与えず、伸展時のみ膨らむPouch型チャンバを導入することによって、すでに、効率的屈曲・伸展運動が実現できたが、さらに、Pouch型チャンバに折り畳み構造をもたらすことによって、伸展トルクの増強ができ、運動支援、感覚共有の実用に耐えられるソフトアクチュエータの設計、実装ができた。学術論文1件の採択、国際学会発表1件の成果が得られた。 3) バーチャルテレリハビリテーション空間の構築 スマートグローブと協同するバーチャルテレリハビリテーション空間とリハビリテーション用ゲームの開発ができ、次年度の剛性推定、運動、感覚共有実験に備えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿って、進めているため
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今後の研究の推進方策 |
本年度では、これまでの研究成果をベースに、計画通り、以下の3項を進めていく。 1. 屈曲・伸展双方向ソフトアクチュエータの改善:改良Ashworth Scale (MAS) 痙縮2以上の指関節でも、伸展できるように、改善を行い、さらに、バーチャルゲームに統合する。 2. 性能テスト:10 名の健常者を募集し、患者役の被験者( 擬似痙性( simulated spasticity)条件:可動域の制限、ねじりばねによる回転負荷の増か)、療法士役の被験者のペアに分けて、1) 患者役の可動域と剛性の識別実験における療法士役識別率、2) タスク教示実験における被験者役の理解度(再現度)、3) 共同作業実験におけるパフォーマンスで、システムの評価を行う。 3. 評価実験: 脳卒中後手機能障がい者、および療法士をそれぞれ5名募集し、前項(2-3)の実験1)~3)を行う。ただし、実験1)では、実際に療法士と患者が対面で、その両方がスマートグローブを用いない条件でも実施し、提案手法との比較を行う。実験2)と3)においては、同等難易度のタスクで、療法士がスマートグローブを用いる条件で対面教示・共同作業を行い、提案手法と比較を行う。評価は、前腕筋電(4ch)と加速度(2ch)の情報と実施後参加者のフィードバックで行う。
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