研究課題/領域番号 |
23K24728
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補助金の研究課題番号 |
22H03471 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
前田 清司 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (30282346)
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研究分担者 |
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00318817)
小崎 恵生 筑波大学, 体育系, 助教 (10900293)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 座位行動 / 心血管疾患 / 慢性腎臓病 / 心腎連関 / 超音波画像診断技術 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の疫学的エビデンスでは、生活環境や職場環境に遍在している長時間の「座位行動」が心血管疾患および慢性腎臓病の重症化にそれぞれ独立して関与することが明らかにされている。しかしながら、座位行動が心腎連関の進行過程を加速させるか否かは不明である。加えて、実験室レベルにおける座位行動の介入研究が不足しており、長時間の座位行動を実際に中断した際に心血管系や腎臓でどのような変化が生じるのかについては不明な点が多く残っている。そこで本研究は、超音波画像診断技術などを用いて座位行動の中断が心血管系および腎臓に及ぼす急性的・慢性的な影響を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
近年の疫学的エビデンスでは,生活環境や職場環境に遍在している長時間の「座位行動」が心血管疾患および慢性腎臓病の重症化にそれぞれ独立して関与することを示している.心臓と腎臓における機能障害が相互に進行していく病態である「心腎連関」は,健康寿命を延伸する上で解決すべき重要な課題である.しかし,座位行動が心腎連関の進行過程を加速させるか否かは不明である.特に実験室環境における座位行動の介入研究が不足しており,長時間の座位行動を中断した際,心血管系と腎臓はどのような相互関係のもと変化が生じるのかについては不明点が多い.そこで本研究は,超音波画像診断技術などを用いて座位行動の中断が心血管系および腎臓に及ぼす急性的・慢性的な影響を明らかにすることを目的とする. 本年度の研究では,中高齢者および慢性腎臓病患者300名程度を対象にした5年間の追跡研究のデータ測定を完了した.主な評価項目は,座位行動時間,中心血圧,心臓圧受容器反射感受性,腎内血流動態,血液・尿中バイオマーカーを活用した腎機能項目などである.加えて,座位行動中断実験のセットアップを実験室に導入し,予備検討を実施した.観察研究で得られた主要な結果として,腎内レニン-アンジオテンシン系の活性を反映する尿中アンジオテンシノーゲン値の上昇は,1) 中心血圧および脈圧の上昇,中心動脈の動脈硬化度上昇,心不全のバイオマーカーである血中N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド濃度上昇等の心血管系指標と関連すること,2) 腎内血管抵抗指数の上昇および尿細管障害マーカー上昇等の腎指標と関連することを発見し,この研究成果は国際学術雑誌にて報告した.以上の結果から,腎内レニン-アンジオテンシン系の活性の上昇は,心腎連関の悪化を加速させる因子の1つであることなどが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
縦断研究のデータ測定を完了し,原著論文を発表し,座位中断実験の準備が進行していることから,おおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の結果を踏まえ,次年度は実験研究・介入研究を通して座位行動が心腎連関に及ぼす急性的・慢性的影響を調査予定である.特に実験研究は観察研究の知見を踏まえ,腎内レニン-アンジオテンシン系の活性や心臓・腎臓の血流動態を包括的評価し,座位行動が心腎連関の病態を及ぼす影響を詳細に検証する予定である.
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