研究課題/領域番号 |
23K24733
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補助金の研究課題番号 |
22H03476 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
宮本 忠吉 大阪産業大学, スポーツ健康学部, 教授 (40294136)
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研究分担者 |
仲田 秀臣 大阪産業大学, スポーツ健康学部, 教授 (20290249)
澤井 亨 大阪産業大学, スポーツ健康学部, 講師 (20529987)
大槻 伸吾 大阪産業大学, スポーツ健康学部, 教授 (90247875)
中原 英博 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 教授 (90514000)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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キーワード | 運動適応学習 / 時系列予測モデル / 呼吸循環系 / フィードバック制御 / フィードフォワード制御 / セントラルコマンド / 学習 / 呼吸調節 / 循環調節 / 運動負荷 / 運動学習 / 運動適応 / 呼吸循環反応 / 心拍数 / 時系列解析 / 高次脳 / 学習機構 / システム変容 / 呼吸循環調節 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、システム定量解析法を用いて呼吸循環調節系の運動適応・学習機構の解明と 生体システム変容の時系列予測モデルを開発することを目的とする。研究①②③の課題解決に取り組み、生体システム内の制御系における運動適応能や恒常性維持の生理学的機構の時間的理解を深め、幅広い年齢層、多様な人々のQOLの向上や将来的な疾病予防法、健康寿命の延伸のプランニングなど、身体運動適応性の原理理解に基づく安全で効果的な運動プログラムの開発に貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、システム定量解析法を用いて呼吸循環調節系の運動適応・学習機構を解明し、生体システム変容の時系列予測モデルを開発することである。以下の研究①②③の課題解決を通じて、従来の研究手法では困難だった制御系内の運動適応能や恒常性維持の生理学的機構の時間的理解が向上し、幅広い年齢層や多様な人々のQuality of Life(QOL)の向上、将来的な疾病予防法や健康寿命の延伸プランニングなど、身体運動適応性の原理に基づく安全かつ効果的な運動プログラムの開発に寄与することが期待される。 初年度から2年間の研究計画では、運動開始前の高位中枢からの神経性ドライブ(フィードフォワード制御)による予測的心拍、血圧、換気亢進反応に焦点を当て、その学習機構の解明に取り組む予定である。初年度は、ノーマル条件下で7回の高強度運動を実施し、被検者の脳循環、呼吸代謝、筋活動に関する時系列データを取得した。また、計7回のすべての試行時において最大運動パフォーマンスを測定し、予測制御による呼吸循環反応の変化が何回目の試行でどの程度発現し、その結果最大運動パフォーマンスがどの程度変化するかを比較検討した。高強度運動を3日間で計7回のトライアルを繰り返すことで、初期のピークワット値は被験者間でばらつきがあるものの、9~14%増加することが判明した。さらに、試行回数が増えるほど、実験中に計測される心拍数のベースライン値が測定開始初日の基準値よりも高くなり、各日程で試行を繰り返すことでさらなる心拍数のベースライン値の上昇と最高到達心拍数の上昇が認められた。本実験プロトコールを用いて、次年度も引き続き高位中枢による予測・見込み制御の学習機構の解明に取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新たな実験室への移転が4月に決定したこと、および大学の事情を鑑みて、全実験装置の移動と設置に2ヶ月を要した。さらに、コロナ禍による被検者募集の困難さと、部品調達の遅延で企業側からの実験装置の納品が半年以上遅れるという状況が重なった。これらの事情により、当初予定していた実験進行が困難となった。さらに、新たな実験プロトコールの確立に向けた準備実験にも時間がかかり、当初1年間での実験完了は達成できなかった。しかしながら、次年度はこの遅れを克服し、実験を積極的に進めることを目指している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度からの研究推進方針は、当初設定された実験計画に基づき、段階的に研究を進行することを前提としている。計画の変更は現時点では予定していない。 本研究では、独自に開発したシステム定量解析法を用いて、高位中枢からの制御系学習要素を含んだ呼吸循環調節系の運動適応・学習過程を、時系列解析を通じて明らかにすることを目的としている。これにより、生理学の中心的な課題である「運動適応・恒常性維持機構の解明」に取り組むことが可能となると考えている。 新型コロナウイルスの影響が徐々に緩和されることを受けて、被験者の確保が容易になり、次年度以降の研究は円滑に進行すると予想している。次年度においては、今年度に確立した実験プロトコールを基盤とし、新規の解析手法を採用しつつ、様々な外乱条件下での介入実験を反復して行うことを計画している。 これらの取り組みにより、運動適応と恒常性維持機構の解明に一層深く貢献することが可能となる。そして、その結果として運動プログラムの開発や健康寿命の延伸に向けた基盤を、さらに確固たるものにすることを期待している。研究の進行と共に、新たな知見や発見があれば、それを柔軟に研究に取り入れ、結果の向上に努めたいと考えている。
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