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運動が引き出す脳グリコーゲン超回復の神経ーグリア連関機構とその意義

研究課題

研究課題/領域番号 23K24735
補助金の研究課題番号 22H03478 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分59020:スポーツ科学関連
研究機関筑波大学

研究代表者

松井 崇  筑波大学, 体育系, 助教 (80725549)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
キーワード運動 / 脳グリコーゲン / 超回復 / エネルギー代謝 / PTG
研究開始時の研究の概要

一見無関係な持久性と認知は関連し、運動はこの超時空間的心身連関の適応を促進するが、その根底をなす共通機構は未だ不明である。私は、認知を担う脳グリコーゲンが、急性運動時にモノアミン 作動性に分解・利用され持久性をも司り、その後に超回復を起こすことで、慢性運動による持久性と認知の向上に資する脳代謝適応をもたらすことを見出した 。脳では筋と異なり、モノアミンが数時間後に誘導するグリコーゲン標的タンパク質がマスター因子となりうる 。本研究では、運動による脳グリコーゲン超回復が脳内独自の「神経-グリア連関」により生じ、心身の運動適応を担うかどうかを検証する先端スポーツ神経生物学を推進する。

研究実績の概要

一見無関係な持久性と認知は関連し、運動はこの超時空間的心身連関の適応を促進するが、その根底をなす共通機構は未だ不明である。本研究は、運動による脳グリコーゲン超回復の分子神経機構をグリコーゲン標的タンパク質(PTG)の役割に着目して解明することを目指す。4年計画の2年目である令和5年度は、実験計画に従い、実験1と2を実施した。
実験1および2では、昨年度検討した疲労困憊する持久性運動と安静状態に加えて、疲労しない持久性運動のマウスモデルにおいて、脳内PTGタンパク質量をウェスタンブロット法により検討した。まずは、昨年度と同様に、疲労困憊群の血糖値は安静群と比較して顕著に低下し、血中乳酸濃度は顕著に上昇したことから、本研究で用いた運動モデルが先行研究と同様の疲労困憊状態を引き起こしていることを確認した。
このとき、脳内、特に、脳グリコーゲン超回復が生じる大脳皮質、海馬、視床下部のおけるPTGタンパク質量を定量し、安静状態のマウスと比較することで再現性を検討した。その結果、全ての部位で安静群よりも疲労困憊群におけるPTG量が有意に上昇したことから、昨年度の成果の再現性を確認できた。上昇率についても、視床下部、大脳皮質、海馬の順で高く、昨年度と同様の結果であった。加えて、実験2において、疲労しない運動群では、PTGタンパク質量が疲労困憊群よりは低いものの、高まる傾向が確認された。
これらの結果は、運動時には、その終了を待たずして、脳内ではグリコーゲン合成を促進するアナボリックな生化学状態をPTGを通じて形成していることを示唆する。
今後、このPTGタンパク質の増加が運動時の何によって引き起こされるのかについて、神経生物学的手法で検討することで、運動が引き出すPTG発現機構を明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度は、疲労困憊運動だけでなく、疲労しない持久性運動にも運動条件を広げて脳内PTG発現動態を確認することができた。これまでの成果は、プロジェクトの後半で検討するPTGの発現機構やその生物学的役割に関する実験につながることから、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

実験1および2において、運動時には、その終了を待たずして、脳内ではグリコーゲン合成を促進するアナボリックな生化学状態をPTGを通じて形成していることを示唆した。今後、このPTGタンパク質の増加が運動時の何によって引き起こされるのかについて、神経生物学的手法で検討することで、運動が引き出すPTG発現機構を明らかにする予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 運動時の脳で乳酸が担う2つの役割:エネルギー供給と疲労シグナル形成2023

    • 著者名/発表者名
      松井 崇
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 41 ページ: 195-201

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] Acute Vigorous Exercise Decreases Subsequent Non-Exercise Physical Activity and Body Temperature Linked to Weight Gain2023

    • 著者名/発表者名
      Funabashi Daisuke、Dobashi Shohei、Sameshima Kazuki、Sagayama Hiroyuki、Nishijima Takeshi、Matsui Takashi
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: 2023 ページ: 23298495-23298495

    • DOI

      10.1101/2023.10.25.563892

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 運動時の全身エネルギー代謝と疲労を司るSelfish Brain機構:脳内乳酸の役割2023

    • 著者名/発表者名
      松井 崇
    • 学会等名
      第44回日本肥満学会・第41回日本肥満症治療学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 一過性の高強度運動後に生じる自発活動性と体温の低下:コルチコステロンの関与.2023

    • 著者名/発表者名
      船橋 大介, 土橋 祥平, 鮫島 和貴, 下山 寛之, 西島 壮, 松井 崇
    • 学会等名
      第 31 回日本運動生理学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 乳酸受容体GPR81タンパク質の脳内分布と疲労困憊運動による部位特異的発現2023

    • 著者名/発表者名
      土橋祥平, 船橋大介, 鮫島和貴, 下山寛之, 松井 崇
    • 学会等名
      第 31 回日本運動生理学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Central fatigue during endurance exercise and preventive strategies: A role of brain glycogen2022

    • 著者名/発表者名
      Takashi Matsui
    • 学会等名
      2022 International Conference of the Korean Society of Exercise Physiology (KSEP)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 持久性運動時の中枢性疲労とその予防策:脳グリコーゲン代謝の役割2022

    • 著者名/発表者名
      松井 崇
    • 学会等名
      第77回日本体力医学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [備考] 筑波大学 松井研究室

    • URL

      https://www.tsukuba-matsui-lab.org/

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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