研究課題/領域番号 |
23K24745
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補助金の研究課題番号 |
22H03488 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
福谷 充輝 立命館大学, スポーツ健康科学部, 講師 (80722644)
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研究分担者 |
江間 諒一 静岡産業大学, スポーツ科学部, 准教授 (10768196)
伊坂 忠夫 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30247811)
橋詰 賢 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (50727310)
八木 直人 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 散乱・イメージング推進室, 特別研究員 (80133940)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | ミオシン / アクチン / クロスブリッジ / サルコメア / 骨格筋 / 小角散乱 / 反動動作 / 伸張性収縮 / タイチン |
研究開始時の研究の概要 |
筋収縮に関し、これまで多くの研究が行われてきたが、未だに筋収縮メカニズムの全容を解明することは出来ていない。その理由として、筋収縮の源であるクロスブリッジの挙動が極めて小さいため、計測そのものが困難であり、ましてやそれを生体の運動中に捉えることは至難ということが挙げられる。そこで本研究では、X線回折、および高周波振動という技術を用いて、クロスブリッジの挙動を生体の運動中に捉える手法確立に挑戦する。
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研究実績の概要 |
これまでは、X線小角散乱を用いた実験をメインに実施してきた。これまで、伸張性収縮中のクロスブリッジ動態において興味深い結果が得られている。伸張性収縮時は、等尺性収縮時や短縮性収縮時と比べて明らかに大きな筋力を発揮することができ、それは伸張性収縮中に結合したクロスブリッジ数が増大すると考えられてきたが、我々の実験結果は、これまでの先行研究の知見とは異なり、むしろ結合したクロスブリッジ数が低下するという結果が得られた。先行研究の知見は間接的な測定により得られたものであり、結合したクロスブリッジ数が減っても各クロスブリッジが発揮する力が増大すれば、伸張性収縮中の発揮筋力増大は説明できることから、我々の知見が正しい可能性は十分にある。ただし、この結果は伸張性収縮という収縮様式の影響ではなく、筋の可動域 (上行脚、至適長、下行脚)の影響で結合したクロスブリッジ数が変化したことによってもたらされた可能性もあるため、各可動域において同様の実験を行ったところ、筋の可動域によらず、伸張性収縮時には結合したクロスブリッジ数が低下したため、これは収縮様式に依存した動態だといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
X線小角散乱によるクロスブリッジ動態の計測に関しては、当初は考えていなかった非常に興味深い動態を発見することが出来た。また、現在は、生理的な環境下において、クロスブリッジ構造だけでなく、サルコメア構造も同時に捉える実験系を確立しつつあるため、これまでの研究テーマを、筋の各階層構造を同時に計測することで検証するという、発展的な実験が実施可能となっているため。
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り、X線小角散乱の実験において興味深い結果が出てきており、かつ、方法論も発展し、生体の運動時に、クロスブリッジ構造だけでなくサルコメア構造も捉える実験系が確立されつつある。この発展的な実験系で、反動動作を模した運動中の筋の各階層構造を同時に捉える実験プロポーザルがSPring-8に採択されており、2024年5月に実験を実施する予定である。これにより、あるサルコメア長における、ミオシンフィラメントの格子間隔と結合したクロスブリッジ数をあわせた議論が可能になる。
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