研究課題/領域番号 |
23K24747
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補助金の研究課題番号 |
22H03490 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
川中 健太郎 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (80339960)
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研究分担者 |
檜垣 靖樹 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
重森 裕 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (30465273)
木戸 康平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (50822730)
上原 吉就 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70373149)
畑本 陽一 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部, 主任研究員 (90738832)
三浦 征 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (20982317)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 糖質付加 / 筋タンパク質合成 / 重水素水 / グルコース / mTORC1 / ラット / 高糖質食 / 除神経 / 筋萎縮 / Atrogin-1 / エネルギー付加 / 安定同位体比質量分析 / タンパク質 / 骨格筋 / 糖質 / 骨格筋量 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋量を増やすことはスポーツ選手の競技力向上に、また、中高齢者のサルコペニア予防に重要である。ところで、一部のスポーツ選手は、「肉や魚などのタンパク質食品とともに、ご飯などの糖質食品をたくさん食べる筋量増加方法」を実践している。しかし、この「糖質を付加する食事処方」の有効性を支持する科学的知見は乏しい。 そこで、本研究では、若年男性を対象としたランダム化比較試験によって、「糖質を付加する食事処方」が筋タンパク質合成を促進して筋量を増やす可能性について検証する。また、動物実験によって、「糖質を付加する食事処方」が不活動による筋タンパク質合成低下と筋量減少を防止する可能性についても検証する。
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研究実績の概要 |
ヒト実験: 若年男性12名を対照群と糖質付加群の2群にわけた。介入内容は2022年度と全く同様であった。前半1週間(規定食期間)は両群ともにエネルギー必要量の規定食のみを摂取させた。後半1週間(試験食期間)は、対照群にはタンパク質のみ、糖質付加群にはタンパク質と糖質を付加した。両群ともに タンパク質摂取量は約2.5g/kg体重/日に、また、糖質付加群のエネルギー摂取量は必要量の1.4倍に設定した。規定食期間開始前日、被験者に70%重水(3mL/kg)を投与し、さらに、介入中も重水(0.3mL/kg)を投与した。これによって体液中の重水素濃度を約0.5%に維持した。さらに、体液中の重水素水濃度をモニターするために定期的に唾液を採取した。介入の前後に筋バイオプシーを実施した。2023年度ならびに2024年度に採取した筋組織から筋原線維タンパク質を抽出して、筋原線維タンパク質の合成速度の評価を開始した。
動物実験: 2022年度にラット24匹の片脚坐骨神経に除神経を施すとともに、低糖質食群(糖質エネルギー比20%)と高糖質食群(糖質エネルギー比70%)に分けて、それぞれの食餌で7日間に亘って飼育した。また、除神経ならびに食餌介入4日後に重水素水を投与することで、筋原線維タンパク質合成速度を評価した。除神経によって、両群の腓腹筋、足底筋、ヒラメ筋における筋タンパク質合成速度と筋重量が減少した。また、高糖質食によって腓腹筋と足底筋の筋萎縮を、一部、防止できたが、この効果は筋タンパク質合成速度の低下抑制によっては説明できなかった。2023年度には、筋タンパク質分解経路における情報伝達物質の変化を検討した。その結果、除神経によるAMPK活性化やAtrogin-1遺伝子発現上昇を高糖質食によって抑制できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト実験では順調にサンプル採取が進行しており、筋タンパク質合成速度の解析も開始した。2025年度にはさらに6名の被験者の介入を行う予定としている。また、動物実験では高糖質食による筋萎縮防止効果が筋タンパク質分解経路の抑制による可能性を示唆することができた。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト実験では、2024年度にはさらに6名の被験者の介入を行う予定である。2022~2024年度の介入実験の結果をまとめて論文投稿を予定している。また、動物実験では2023年度までの内容をJournal of Chachexia, Sarcopenia and Muscle誌に投稿する。さらに、ラット摘出筋を用いたex vivo実験において、グルコースが筋タンパク質合成速度に及ぼす影響、さらには、グリコーゲン含量が筋タンパク質合成を調節する可能性について検証する。
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