研究課題/領域番号 |
23K24756
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補助金の研究課題番号 |
22H03499 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
福岡 義之 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20265028)
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研究分担者 |
石橋 圭太 千葉大学, デザイン・リサーチ・インスティテュート, 准教授 (40325569)
堀内 雅弘 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (50310115)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 寒冷 / 低酸素 / 呼吸 / 循環 / 体温 / 換気応答 / 血圧応答 / 体温応答 |
研究開始時の研究の概要 |
実際の低酸素という現場は高所であるため、同時に外気温の低下も伴う(例えば、富士登山)。したがって、低温と低酸素という2つの環境ストレスに対する複合環境適応 (cross adaptation)こそがキーであり、従来生体適応の複雑さから、これら2つの環境ストレスに対する適応能は、個別に扱われることが多かった。人類が獲得した合理的な適応能力に関わる複数の生理機能(体温―循環(自律神経)―呼吸システム)に着目し、1)深部体温の変化、2)末梢血流の変化を誘発させ、さらに3)身体作業を負荷することで、富士山登山の出発から滞在までに起こる呼吸―循環―体温の身体システムを解明する。
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研究実績の概要 |
【目的】持続的低酸素では換気抑制(HVD) が観察される。今回環流スーツ着用後35℃から10℃の冷水を緩徐に環流し、緩徐な寒冷刺激がHVDに対して体温や循環の統合的な連関を検討した。【方法】健常な成人12名(年齢23.5±0.9歳、体重61.7±5.7kg、身長170±4.1cm)を対象に、 酸素分圧が50~55 mmHg の低酸素を座位安静にて暴露し、 還流水温を35℃と10℃の2条件とした。漸減条件として35~10℃の水温に漸減し低酸素暴露の影響をみた。呼吸は換気量(VE)や酸素摂取量(VO2)、2)血管系は収縮期圧(SBP)、平均動脈血圧(MAP)、中心循環は心拍出量(Q)、頸部脳血流には椎骨動脈、内頚動脈、外頚動脈の3か所、4) 体温は耳内温と平均皮膚温、5)上腕・胸の皮膚血流量を計測した。6)等O2を<1.0 mmHgに制御できた。【結果と考察】コントロール条件での換気応答は明確なHVDが観察(-3.5±2.9 L/min)され、漸減条件ではVEは2.9±1.6 L/min 増加し、漸減条件ではHVDが消失した。VO2約130±71ml/min の上昇が観察され、深部体温の上昇(0.2±0.07℃)し、熱産生の誘発が確認された。同時に、SBPで約10mmHg、MAPで5mmHg 以上亢進して血管収縮を誘発し、頸部の特に、VAの血管径と血流速度の上昇が顕著であった。平均皮膚温を3℃以上低下しているので、皮膚血流は上腕・胸部とも低下した。【まとめ】本研究では皮膚温の漸減による換気・循環・体温・脳血流の全身的連関について検討した結果、漸減条件では低酸素換気抑制(HVD)の消失がみられ、同時に血圧上昇と低酸素性脳血流の増加があった。深部体温は微上昇させて熱産生を誘発した。急性の寒冷刺激暴露に対する換気・循環・体温・脳血流の種々の生理機能の統合的な調節を明らかにできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
頸部血流の測定において、高度な計測スキルを要求されるため12名全員の測定が出来ていない。次年度での追加測定を行うか検討する。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は実験2である「呼吸-循環-体温システムに対するLBNP/LBPP負荷による血流変動の影響」をスムーズに遂行する。LBNP/LBPP負荷装置を完成させ、夏休にて集中実験を行う予定である。
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