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運動と非アルコール性脂肪肝炎の改善をつなぐ制御分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K24787
補助金の研究課題番号 22H03530 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関金沢大学

研究代表者

永島田 まゆみ  金沢大学, 保健学系, 助教 (30645510)

研究分担者 桜井 博  金沢大学, 保健学系, 教授 (00225848)
本多 政夫  金沢大学, 保健学系, 教授 (00272980)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
キーワード非アルコール性脂肪肝炎(NASH) / マクロファージ / 腸管透過性 / 運動 / 転写因子 / 非アルコール性脂肪肝炎 / 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
研究開始時の研究の概要

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、肝硬変や肝がんなどに進行する可能性を有する慢性肝疾患であるが、確立された治療法がなく、食事・運動療法が中心である。しかし、運動によるNASHの改善をつなぐ分子機構は明らかにされていない。本研究では運動で活性化される熱ショック転写因子に着目し、NASHの病態形成に深く関与する、肝臓の炎症性細胞の動態および腸管透過性の亢進における役割について検討する。

研究実績の概要

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の病態形成に関与する肝臓マクロファージのM1/ M2極性制御機構における熱ショック転写因子の役割について検討を行っている。マクロファージ特異的に熱ショック転写因子を欠損するコンディショナルノックアウト(cKO)マウスに食餌性NASHを誘導し、代謝表現型解析を行ったところ、これまでにcKOマウスはコントロール群に比し、糖負荷試験における耐糖能の改善、肝糖産生の抑制傾向、肝臓における炎症シグナルNF-κBの有意な低下、肝臓に浸潤するM1マクロファージの減少およびM2マクロファージの増加を認めている。今回ウエスタンブロット解析によりcKOマウスの肝臓におけるインスリンシグナルの亢進を明らかにし、耐糖能改善の結果を裏付けることができた。また、cKOマウスの肝臓において、β酸化に関連する遺伝子群の有意な発現増加を認め、肝臓における脂肪酸の分解亢進が考えられた。肝臓の線維化においては、α-smooth muscle actinのタンパクレベルにおいて減少傾向を認めた。肝臓における中性脂肪含量の低下、線維化の抑制傾向が考えれる。また、フローサイトメトリー解析から、cKOマウスの血液中の単球において、炎症促進性のLy6C陽性単球は減少傾向を、抗炎症性のLy6C陰性単球は有意な増加を認め、血液レベルにおいても炎症抑制傾向を示した。
更にNASHの病態形成に関与する腸管透過性の亢進と熱ショック転写因子の関係について検討を行うために、腸管上皮特異的に熱ショック転写因子を欠損するcKOマウスに食餌性NASHを誘導し、代謝表現型解析を開始した。現在、cKO群においてインスリン抵抗性の増悪を確認している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

食餌性NASHを誘導したマクロファージ特異的に熱ショック転写因子を欠損するcKOマウスの代謝表現型解析は予定通り進んでいるが、腸管上皮特異的に熱ショック転写因子を欠損するcKOマウスの代謝表現型解析と運動負荷におけるマウスの解析がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

① 食餌性NASHを誘導したマクロファージ特異的に遺伝子欠損しているcKOマウスでは肝臓に浸潤するM1マクロファージ数の有意な減少を認めることから、このマウスの骨髄細胞を用いてマクロファージへの分化誘導実験を行い、分化能及び増殖能の評価を行う。
② NASHの病態形成に関与する腸管透過性の亢進と熱ショック転写因子における関係について検討するため、引き続き腸管上皮特異的に熱ショック転写因子を欠損するcKOマウスに食餌性NASHを誘導し、代謝表現型解析を行う。
③ 野生型マウスにおける運動負荷による標的臓器の熱ショック転写因子の発現について評価する。また、腸管上皮特異的に熱ショック転写因子を欠損したマウスにおいても運動負荷を行い、腸管透過性に関与する腸管上皮で発現するタイトジャンクション構成蛋白質の発現などを評価する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A natural Nrf2 activator glucoraphanin improves hepatic steatosis in high-fat diet-induced obese male mice associated with AMPK activation.2023

    • 著者名/発表者名
      Suratsawadee Promsuwan, Kazuki Sawamoto,Liang Xu,Mayumi Nagashimada,Naoto Nagata, Yumi Takiyama
    • 雑誌名

      Diabetology International

      巻: 15 号: 1 ページ: 86-89

    • DOI

      10.1007/s13340-023-00658-6

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] CX3CL1/CX3CR1 interaction protects against lipotoxicity-induced nonalcoholic steatohepatitis by regulating macrophage migration and M1/M2 status2022

    • 著者名/発表者名
      Ni Y, Zhuge F, Ni L, Nagata N, Yamashita T, Mukaida N, Kaneko S, Ota T, and Nagashimada M.
    • 雑誌名

      Metabolism

      巻: 136 ページ: 155272-155272

    • DOI

      10.1016/j.metabol.2022.155272

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] HSF1の欠損は、肥満の脂肪組織に浸潤する炎症惹起性M1マクロファージを減少させ、慢性炎症を減弱しインスリン抵抗性を抑制する2023

    • 著者名/発表者名
      永島田 まゆみ, 山下 太郎, 本多 政夫
    • 学会等名
      第59回 日本肝臓学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] CCL3の欠損は、脂肪組織マクロファージをM2優位にシフトさせ、インスリン抵抗性を抑制する2022

    • 著者名/発表者名
      永島田 まゆみ
    • 学会等名
      第65回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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