研究課題/領域番号 |
23K24810
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補助金の研究課題番号 |
22H03553 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
中野 慎也 統計数理研究所, 学際統計数理研究系, 教授 (40378576)
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研究分担者 |
齋藤 正也 長崎県立大学, 情報システム学部, 准教授 (00470047)
中野 直人 明治大学, 先端数理科学研究科, 特任准教授 (30612642)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | データ同化 / 粒子シミュレーション / マルチエージェントシミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
「データ同化」は,数値シミュレーションモデルと観測データを組み合わせて,現象を再現,予測する研究手法である.但し,既存のデータ同化手法を粒子シミュレーションやマルチエージェントシミュレーションなどの多粒子モデルにそのまま適用することはできない.本研究では,マクロスケールの観測と多粒子モデルの状態との対応づけを可能にする適切な制約を導入することにより,これまで困難であった多粒子モデルへのデータ同化の適用を実現する.さらに,粒子シミュレーションモデルやマルチエージェントモデルなどの実問題に適用し,手法の有効性を検証する.
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研究実績の概要 |
本研究課題は,[課題A]流れ場による変換を用いた多粒子モデルのためのデータ同化の開発,[課題B]地球磁気圏荷電粒子モデル,感染症伝播モデルなどの多粒子モデルへのデータ同化の応用の2つのサブ課題に分けて研究を進めている.
[課題A]に関しては,粒子分布を修正するために用いる流れ場の表現方法について検討した.本研究において,多粒子モデルの粒子分布を修正する流れ場は,ベイズ事前分布から事後分布への更新を実現するためのものであり,粒子が表現する量の密度変化をFokker-Planck方程式で表す場合,移流の効果を決める速度に相当する.本年度は,確率密度分布を流れ場に基づいて修正するparticle flow filterの手法も調査しながら,まずシミュレーション領域全体を網羅する観測が得られている場合について,シミュレーションモデルによる予測と観測とを比較する方法を検討した.令和4年度中に,流れ場を導出する方法の完成には到達できなかったものの,流れ場の推定に必要な最適化手法について,データ同化で用いられるアンサンブル変分法を粒子データにも適用可能な形に拡張するなど,一定の成果は得られた. [課題B]に関しては,応用課題で用いる粒子モデルについて検討を行った.まずは,簡単な問題設定で試すため,地球磁気圏における荷電粒子の動きを模した2次元の簡単なモデルについてプログラムの整理を行い,与えられた電磁場のもとで粒子の動きを計算できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
流れ場を導出するアルゴリズムの整備には至らなかったが,想定できる範囲内であり,おおむね順調に進んでいると言える.
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今後の研究の推進方策 |
課題Aにおいては,引き続き多粒子モデルから得られる粒子分布を観測に基づいて修正する流れ場の計算アルゴリズムの開発を進め,さらに流れ場にもとづくデータ同化のアルゴリズムを開発する.流れ場については,今のところradial basis function networkに基づくモデルを応用する予定である.流れ場にもとづく粒子分布変換のアルゴリズムについては,流体の粒子シミュレーションで用いられている手法を含めて広く調査しながら,開発を進める. 課題Bに関しては,手法の検証のために使用する地球磁気圏荷電粒子シミュレーションモデル,感染症伝播マルチエージェントモデルのそれぞれについて,プログラムの整備を進め,また具体的な実装方法を検討する.
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