研究課題/領域番号 |
23K24825
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補助金の研究課題番号 |
22H03569 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
泉 泰介 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (20432461)
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研究分担者 |
増澤 利光 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (50199692)
金 鎔煥 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50756773)
江口 僚太 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60964468)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2026年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 分散アルゴリズム / グラフアルゴリズム / 動的ネットワーク / 計算複雑性 / 自己安定性 / 分散システム |
研究開始時の研究の概要 |
分散アルゴリズムの理論においては、理論解析における性能評価と、現実的な入力に対する実際の性能との間にしばしば大きなギャップが生じる。本研究においては、現実的・実践的なシナリオの下でも通用するような分散アルゴリズムの設計解析手法を確立することを目指す。特に、現実のネットワークの良い性質に対して自律的に適応し、自身を最適化するような分散アルゴリズム (自己最適化分散アルゴリズム) の考え方に注目し、それを実現するための手法および問題のモデル化、解析技法を研究する。
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研究実績の概要 |
2022年度については,主に以下の2点について成果を得た (1) 入力が良い構造を持つ場合の分散アルゴリズムの複雑性解析:入力のネットワークトポロジがどの程度木グラフ的な構造を持つかの指標である「木幅」と分散グラフアルゴリズムの計算量の間の関連について研究を行った.具体的には,一般のグラフに対して分散計算量的に困難な諸問題(最短経路,内周計算,二部マッチング等)について,木幅が限定されたグラフに対しては従来の計算量限界を破ることが可能なことを示した.また,そのアルゴリズム設計のために,いくつかの汎用的なアルゴリズム設計技法を開発した. (2) 自己安定分散グラフアルゴリズムの研究:自己安定性は任意の初期状況から所望の解状況に復帰することが理論的に保証されているような分散アルゴリズムのクラスであり,レジリエントな分散アルゴリズム設計における重要な性質の一つである.本研究ではシュタイナー木,支配集合問題,独立点集合問題等の基本的なグラフアルゴリズムに対する新たな自己安定分散アルゴリズムを提案した.特に独立点集合問題については,緩安定性と呼ばれる自己安定性を緩和した概念を導入することで,自己安定性との相性が悪い永続的な確率的故障モデルの下で動作するアルゴリズムを新たに提案した.
上記(1),(2)の成果以外にも,モバイルエージェントの計算能力,視野が制限された自律分散ロボットの一点集合問題等に関しての成果を併せて得ている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
成果は着実に出ているものの,本研究の主目的である,分散アルゴリズムにおける自己最適化の部分に関しては,基本アイデアはすでにあるもののその解析に難航しており,まだ確定的な結果は得られていない.この点については当初の想定よりも研究遂行が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
進捗状況の項で述べた通り,分散アルゴリズムの自己最適化に関して,現在検討中のアイデアの解析を進めていく.また,その適用可能範囲の拡大を目指していく.
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