研究課題/領域番号 |
23K24831
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補助金の研究課題番号 |
22H03575 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西尾 理志 東京工業大学, 工学院, 准教授 (80711522)
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研究分担者 |
山本 高至 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 教授 (30423015)
米谷 竜 株式会社サイバーエージェント(AI事業本部 AI Lab), AItech Studio AI Lab, リサーチサイエンティスト (40733481)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | Vision and Wireless / 無線センシング / Computer Vision / WiFiセンシング / マルチモーダルセンシング / 無線環境センシング / コンピュータビジョン / 無線通信 / CSIセンシング / 無線イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
次世代移動体通信Beyond 5G や次世代無線LAN では周波数資源や情報通信インフラの効率的利用に向け、機械学習による無線通信信号を用いた無線環境センシングが重要技術に位置づけられる。しかし、実用に向けては、無線通信と機械学習に起因する不確実性、すなわち、モデル作成時からの環境の変化によりセンシング結果が大きく変化する課題を克服する必要がある。本研究は、いつでも・どこでも・どの機器でも使用可能な汎用性のある無線環境センシングを目指し、視覚センシング(Vision) と無線通信(Wireless) を統合した“Vision and Wireless”に基づく新たなセンシング技術を確立する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、無線通信に起因する不確実性の課題を解消し、様々な無線通信環境をイメージング可能な機械学習モデルを獲得する手法を確立するため、無線通信信号情報から推定対象領域のイメージングに寄与する情報を選択・抽出する方法、ならびに、無線通信信号情報から推定対象領域のイメージングを行う手法を検討した。一般的に機械学習では、入力情報を増やすことは精度向上につながる一方、推論結果に寄与しない特徴量はノイズとなり性能を低下させる要因となる他、入力次元数の増加は訓練に必要なデータ量を増加させる。本研究では機械学習による無線センシングにおいても上記の事象が発生することを実験的に示した。具体的には、無線センシング端末が多数設置された環境において、無線センシング端末を選択的に用いることで無線センシング精度が向上できることを示した。加えて、PCA等の次元圧縮手法を無線信号に適用することで、予測精度を高めることができることを示した。これらの知見をもとに無線信号と環境に関する断片的画像から観測対象環境全体をイメージングする手法を確立した。特に、カメラによる監視において、カメラ画像に大きな死角や欠損が生じた場合において、欠損箇所の正確な画像情報を無線信号を元に復元するRF-Inpainting技術を提案し、その有効性を実験的に示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定では、無線信号を用いた環境センシングを行うにあたり無線信号と環境画像の関係性を調査することを目標としていたが、それに加え、無線信号と画像を用いたクロスモーダルセンシングの先駆けとしてRF-inpainting技術の確立に至っているため。
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今後の研究の推進方策 |
RF-Inpaintingの高度化に向け、Wi-Fi CSIを用いたイメージング手法を検討する。特により先端的な機械学習技術を導入し、多次元なCSIからより鮮明な環境画像を復元することを目指す。加えて、無線環境センシングにおいて発生するデータドメインシフトの特性解明と、データドリフトにより生じる予測性能低下の解決方法を検討する。Wi-Fi CSIのドメインシフトについて、これまでも、モデル訓練時と推論時で異なる環境に用いる場合や受信端末や送信端末が移動した場合に発生することが知られていた。それに加え、昨年度の実験により、物理的には人の目で見て静的な状況においても、訓練したモデルが時間経過とともに精度が劣化する事象が発生することが新たに明らかとなった。本年度は、この時間的なドメインシフトについて、原因および特性を明らかにし、その特性に応じた解決策の確立を目指す。
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