研究課題/領域番号 |
23K24835
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補助金の研究課題番号 |
22H03579 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
石原 進 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (10313925)
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研究分担者 |
高井 峰生 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 招へい准教授 (90277773)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | DTN / 異種無線混合 / 災害時通信 / 移動制御 / 情報配信 / 異種無線混合通信 / 避難支援 / 避難シミュレーション / 情報配信プロトコル / すれ違い通信 / SRT |
研究開始時の研究の概要 |
LPWA通信のような広域低速度通信手段、およびWi-Fi等の携帯端末間の短距離高速無線通信による異種無線混合のDelay/Disruption Tolerant Network (DTN)に基づく自営無線網を用い、各リンクの可用性と通信可能時間、通信速度に応じて転送する情報の詳細さを適切に制御しながら並行利用することで、大規模災害発生直後、携帯電話等の公衆高速無線網が使えない場合でも、避難支援および応急対策で必要な通信を確実に可能とするアーキテクチャとその実装プロトコルの開発を行う。
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研究実績の概要 |
【避難者の円滑な避難行動を促すナビゲーション手法の開発】 避難地や通行不能箇所に関する情報提供を単に行うだけでなく、より円滑に避難が可能となるような移動経路を提供するナビゲーション手法を開発するために、避難時の行動モデルを開発した。多くの避難者で混雑している道では、情報通信によって新たな避難経路を知った避難者は、他の群衆の移動方向に反して強引に移動することになる。この考え方に基づいて、情報取得に伴う流れに逆行する行動を考慮したセルオートマトンベースの群衆避難シミュレーションモデルを設計した。このモデルを用いて、避難者の位置に応じて避難支援情報の提供の有無を制御することによる避難時間への影響を調べ、避難者の位置に応じて避難支援情報の提供方法を調整することの効果を確認し、この方針に従った避難ナビゲーション手法設計の見通しを得た。 【避難時を想定した情報配信プロトコルの開発】災害発生時の避難支援情報を効果的に配信するために、広域低速度通信手段と短距離高速無線通信を併用した情報配信プロトコルの設計について検討した。具体的には、短距離高速無線通信の履歴により推定した道路の混雑状況に基づいて、避難誘導情報を避難現場にある機器が動的に生成して広域低速度通信手段を介して配信する方式について検討した。 【すれ違い時通信の高性能化手法の開発】車両と歩行者、車両同士のすれ違いざまの無線情報伝送を高い性能で実現する制御方式、情報配信方式を開発するため、すれ違い通信時の基本的な通信性能に関する調査を行った。一般的に利用されるトランスポート層プロトコルにTCPを使った場合に加え、新しいトランスポートプロトコル、具体的にはSRTを使った場合のすれ違い通信性能に関し、データリンク層・物理層にIEEE 802.11を使用した場合について、すれ違いを模擬した研究室環境での性能を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度第一の目標としていた「避難者の円滑な避難行動を促すナビゲーション手法の開発」、並びに「避難時を想定した情報配信プロトコルの開発」に関しては、群衆移動に関する新たなシミュレーションモデルを開発でき、これをもとにした避難誘導の指針の導出、情報配信プロトコルの基礎設計に進んでおり、順調である。また、「広域の狭帯域通信技術の検証」に関しては実フィールドでの測定を行っており、進行状況は概ね予定した通りである。一方、「すれ違い通信の高性能化手法の開発」に関しては、基礎的な測定レベルにとどまっており、明確な成果は得られているとは言えない。
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今後の研究の推進方策 |
「避難者の円滑な避難行動を促すナビゲーション手法の開発」、並びに「避難時を想定した情報配信プロトコルの開発」に関しては、基礎となるシミュレーションモデルが完成し、これを用いた様々な方式開発、評価が可能になったので、これを活用してナビゲーション手法、情報配信プロトコルを加速していく。 「広域狭帯域通信技術の検証」に関しては、VHF-High帯でのIEEE 802.15.4ベースの無線通信に関し、複数のチャネルを併用可能なMACプロトコルの設計を検討し、シミュレーションベースで効果を検証していく予定である。 「すれ違い時通信の高性能化手法の開発」に関しては、実験環境の整備面の問題で作業が進まなかったところがあるので、改めて実験環境を整備し直し、計画的に基礎測定の再実施と方式開発・実験を進めていく。
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