研究課題/領域番号 |
23K24837
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補助金の研究課題番号 |
22H03581 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
川島 龍太 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00710328)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2025年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | ソフトウェア指向 / 6G / テラビット級通信 / CPU / CPUキャッシュ / ソフトウェア化 / クラウドネイティブ / ネットワーク機能仮想化 / パケット処理性能 |
研究開始時の研究の概要 |
ソフトウェアによるパケット処理性能を10倍に高める。6G通信は30年代における重要基盤であり、完全自動運転やデジタルツインなどの革新技術の礎となる。その舞台裏では、超低遅延通信や超多接続通信といった多様な要件に対応できる、「極めて柔軟性の高いネットワーク基盤」が中心的な役割を果たす。そこで「クラウドネイティブなネットワーク基盤」への期待が高まっているが、パケット処理性能が「一桁以上」劣化する点が致命的である。本研究では、クラウドネイティブな性質と専用機器相当の性能を両立するため、「組み合わせ可能な五つのソフトウェア/ネットワーク技術」を実現する。
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研究実績の概要 |
本課題では、6Gネットワークなどの高度な仮想化技術を組み込んだ大規模ネットワーク基盤システムを対象に、仮想化に伴う(壊滅的な)性能オーバヘッドの解消に取り組む。そして、仮想化の利点を存分に享受しつつ、従来のハードウェア機器中心のネットワークと同等の性能を実現する。前年度に引き続いて、2023年度も仮想化(コンテナ化)されたネットワーク機能であるCNF (Cloud Native Network Function)における性能劣化問題に取り組んだ。前年度において、現行の仮想ネットワークI/Oにおける性能ボトルネックを明らかにすると共に、「理想的な環境下」において100 Mppsを優に超える性能を実現できた(現行性能の5倍以上)。しかし、前年度の成果は、パケット処理に必要なデータ(メタ情報)を完全に除外するという条件付きのものであり、実用面で大きな課題が残った。そこで2023年度は、「より現実的な環境下」における性能向上を目標に研究に取り組んだ。具体的には、サーバ内のパケットバッファにおける「メタ情報」領域に着目し、実アプリケーション (CNF)の動作に影響しない形で当該領域を適応的に縮減する仕組みを考案した。CNFの実行時に、ホスト―ゲスト間でネゴシエーションを行い、不要なメタ情報のみを除外する。その結果、パケットバッファにおけるメタ情報領域が削減される仕組みとなっている。本手法の導入により、「実環境に適用可能な構成」でもって80 Mpps超の実性能を達成できた(従来性能の4倍程度)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度において、早くも仮想ネットワークI/Oにおけるボトルネックを特定できており、「理想化された環境下」での最大性能は(当初の目標を超える)150 Mpps程度(単一フロー)にまで達した(現行性能の5倍以上)。2023年度は、「実用性」をテーマに掲げ、サーバ内のパケットバッファにおける「メタ情報」を保全する仕組みを考案できた。その結果、既存環境への変更を最小限に抑えつつ、顕著な性能向上を実現できた(80 Mpps程度)。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の研究成果により、L1キャッシュのヒット率を極限レベル(99.99%程度)にまで高めた場合、パケット処理効率が飛躍的に向上し、150 Mpps以上の性能を達成できる可能性が示された。キャッシュ率の低下要因は(仮想化に伴って生じた)プロセス間通信に起因するキャッシュの頻繁な無効化であり、その根底にはキャッシュのプリフェッチ機構が関わっていた。しかしながら、現行性能を大幅に上回る性能を達成するには、サーバ内部でのパケット処理に必要な「メタ情報」と呼ばれる128バイトのパケットバッファ領域を完全に除去する必要があり、実用的ではなかった。そこで、メタ情報領域のサイズを可変とし、ホスト―ゲスト間のネゴシエーションを通じてメタ情報領域を数バイト程度に抑える仕組みを考案した。その結果、メタ情報領域を残しつつ、現行性能の大幅な向上が可能となった。そこで次年度は、プリフェッチ機構による副作用を回避するため、パケット処理に関わるあらゆるデータ構造の構成および(メモリ上での)配置を検討し、最適なパケットバッファ構成を考案する。さらに2023年度の成果との組み合わせによって、「現実的な環境下」においても150 Mpps程度の性能を達成する。
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