研究課題/領域番号 |
23K24919
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補助金の研究課題番号 |
22H03663 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
坂東 麻衣 九州大学, 工学研究院, 教授 (40512041)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2026年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 力学系 / 多体問題 / 宇宙機 / カオス / ポアンカレマップ / ローブ / 三体問題 / スタンダードマップ / 輸送構造 / 縮約表現 / 非線形力学系 / ポアンカレ写像 / 機械学習 / 制御理論 |
研究開始時の研究の概要 |
非線形力学系のカオス的な輸送構造を利用した制御理論の確立を目指す.ポアンカレマップによる力学系の縮約表現と高精度超並列数値計算を融合することで計算機上でカオス的現象を捉え,“非線形力学・機械学習・制御理論”を融合した軌道制御理論を展開する.(1)多体力学系の軌道を高精度伝播しポアンカレマップを作成,カオス的な振る舞いを支配する輸送構造の同定,(2) ポアンカレマップと制御理論の融合による低推力軌道設計理論の構築.次に,提案する制御理論に基づき惑星間航行,有人宇宙ミッション,フォーメーションフライトミッションなどの最先端宇宙ミッションの設計・解析を行う.
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研究実績の概要 |
ペリアプシス(近点)というのは軌道力学の言葉で,軌道が最も中心天体に近づく点を意味する.ペリアプシスマップはポアンカレマップの一種で,連続的な軌道とペリアプシスを横切る瞬間との共通部分の情報を抽出した写像で,元の連続力学系より1次元低い離散的な力学系となる.弾道月キャプチャ軌道は地球と月の重力のもとで運動する宇宙機のカオス的な軌道の一例である.この軌道はカオス的な軌道であるが,不安定な共鳴軌道間の不規則な遷移が観測される.このようなカオス的な遷移現象はペリアプシスマップ上のカオスの海において起こるが,ローブとよばれる安定多様体と不安定多様体に囲まれた領域の輸送構造により起こることがこれまでの数値解析により明らかとされてきた.前年度は,カオス軌道に潜む輸送構造をペリアプシスマップの離散力学系において解析した.特に,今年度は非線形力学系のカオス的な遷移現象を,多体問題のペリアプシスマップ上のカオスの海において起こる“ローブ”とよばれる安定多様体と不安定多様体に囲まれた領域の輸送構造を詳細に調べた.具体的にはスタンダーダマップとよばれるハミルトン系の離散写像と多体問題の連続力学系について解析行いローブとローブを介した輸送構造の存在を明らかにした. 今年度は前年度に解析を進めたスタンダーダマップとよばれるハミルトン系の離散写像と宇宙機の多体力学系の連続ダイナミクスにおけるカオス的輸送構造の解析と制御理論について研究を進めた.前年度にローブを介した輸送構造の存在が明らかとなったが,今年度は同定したローブシーケンスを外部入力を用いて遷移することでカオス領域間を利用して初期軌道から目標軌道へ遷移するための制御問題を考えた.有効ローブを定義し,有効ローブを含むローブシーケンスから目標軌道への遷移が可能な外部入力のコストが最小となる解を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
制御にまで研究を進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
提案手法のロバスト性を検証する.さらに一般化された系において提案手法を拡張する.
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