研究課題/領域番号 |
23K24920
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補助金の研究課題番号 |
22H03664 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
能島 裕介 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (10382235)
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研究分担者 |
増山 直輝 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 准教授 (00815607)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 多目的最適化 / 知識獲得 / 進化計算 / クラスタリング |
研究開始時の研究の概要 |
多くの実世界最適化問題(以下,実問題と呼ぶ)は,複数の目的関数や制約条件を持ち,1つの解候補の評価に膨大な時間が掛かることもある.そのような問題は,数値解析によって解を求めることが困難であり,実行可能な複数の非劣解を有限時間で求める方法として,進化型多目的最適化アルゴリズムが提案されている.アルゴリズムの開発には,人工ベンチマーク問題が一般的に使われるが,実問題に即さない特殊な特徴を有し,実問題に即さないアルゴリズム開発が行われている.本研究では,実問題の特徴を解析し,ベンチマーク問題と実問題の類似点・相違点を明らかにする.また,実問題に即したベンチマーク問題とアルゴリズムの開発を行う.
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研究実績の概要 |
本研究では,実世界多目的最適化問題の特徴を解析し,ベンチマーク問題と実問題の類似点・相違点を明らかにする.また,実問題に即したベンチマーク問題とアルゴリズムの開発を行う. 本年度は実世界最適化問題の特徴解析,獲得された解集合の評価方法の検証,実問題を想定したアルゴリズムの開発を行った. (1)実世界最適化問題の特徴解析:目的関数や制約条件が数式のみで定義された実問題のパレートフロントや実行可能領域の形状,目的関数値と決定変数値との関係性調査を拡充することができた.また,可視化・解析結果の公開に向けた検討を行った. (2)獲得された解集合の評価方法の検証:多数目的最適化問題を多様性と収束性の観点で切り分けた評価手法の有効性を検証し,評価手法の改良を行った.成果として国際会議で1件,国内会議で1件発表を行った. (3)実問題を想定したアルゴリズムの開発:様々なパレートフロント形状に対応可能な進化型多目的最適化アルゴリズムを開発し,研究成果をIEEE Accessに掲載した.決定変数空間で異なるパレートセット集合を探索可能な進化型多目的最適化アルゴリズムを開発し,研究成果を国際会議にて2件,国内会議にて1件発表した.なお,国際会議ISIS2023では優秀発表賞を授与した.また,複数サーバによる最適化を想定した連合サロゲート進化型多目的最適化フレームワークの検討を行い,その成果を国内で1件発表し,2024年度開催の国際会議にも採択されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)実世界最適化問題の特徴解析:目的関数や制約条件が数式のみで定義された実問題に対する解析は,数の拡充はできたが,一般公開に向けた可視化部分の開発が予定よりも遅れている.また,シミュレーションを伴う実問題に関してはあまり実施できていない. (2)獲得された解集合の評価方法の検証:多数目的最適化問題を多様性と収束性の観点で切り分けた評価手法の有効性を検証し,評価手法の改良を行った.成果として国際会議で1件,国内会議で1件発表を行うことができたので,概ね順調に進展していると言える.これらの成果をまとめてジャーナル論文の投稿を検討している. (3)実問題を想定したアルゴリズムの開発:様々なパレートフロント形状に対応可能な進化型多目的最適化アルゴリズムを開発し,研究成果をIEEE Accessに掲載した.決定変数空間で異なるパレートセット集合を探索可能な進化型多目的最適化アルゴリズムを開発し,研究成果を国際会議にて2件,国内会議にて1件発表した.また,複数サーバによる最適化を想定した連合サロゲート進化型多目的最適化フレームワークの検討を行い,その成果を国内で1件発表し,2024年度開催の国際会議にも採択されている.実問題を想定したアルゴリズムの開発は当初予定よりも進展していると思われる. 以上をまとめると,全体的に概ね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は引き続き実世界最適化問題の特徴解析,獲得された解集合の評価方法の検討,実問題を想定したアルゴリズムの開発を行う. (1)実世界最適化問題の特徴解析:目的関数や制約条件が数式のみで定義された実問題と,シミュレーションを伴う実問題において,膨大な解情報を生成しデータベースの拡充を行う.そのデータベースを用いてパレートフロントや実行可能領域の形状,目的関数値と決定変数値との関係性を調査する.クラスタリングやIf-thenルール集合を用いた可視化による解析を行う. (2)獲得された解集合の評価方法の提案:多数目的最適化問題を評価する指標に関して成果をまとめジャーナルに投稿する. (3)実問題を想定したアルゴリズムの開発:複雑なパレートフロントに対応可能な制約付き進化型多目的最適化手法の開発,同一評価値を持つ複数の解を探索可能な進化型多目的最適化手法の開発,またそれらの融合手法の検討を行う.さらに,複数サーバでの最適化を考慮した連合学習型の最適化手法の開発を行う.
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