研究課題/領域番号 |
23K24938
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補助金の研究課題番号 |
22H03683 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
川田 健太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (50825007)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | single-cell RNA-seq / 転写速度推定 / 遺伝子制御ネットワーク / 情報理論 / 細胞分化 / 代謝標識 / 転写制御 / RNA分解制御 / RNAダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内の遺伝子制御ネットワークは、細胞分化に伴って変化する動的なネットワークである。近年の計測技術の発達により、遺伝子制御ネットワークの網羅的な構築が可能となっている。一方で、これらの多くは特定の細胞状態における静的なネットワークを予測するものであり、細胞分化過程に伴う遺伝子制御ネットワークの時間的変化の特性は明らかになっていない。本研究課題で申請者は、一細胞レベルでの転写推定と情報理論の枠組みを統合することで、細胞分化に伴った遺伝子制御ネットワークのダイナミクスを再構成する新規手法を開発する。これは分化制御を解明する基盤技術となるものであり、多大な学術的波及効果が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究課題では標識RNAのsingle-cell RNA-seq (scRNA-seq) 解析とデータベースによる遺伝子制御ネットワーク構築を組み合わせることで、細胞分化における遺伝子制御ネットワークの時間的発展を再構築することを目的とする。これにあたり、(1) 核酸アナログ標識を施した細胞のscRNA-seq解析手法の構築、(2) scRNA-seqデータに基づく細胞毎のRNA合成/分解速度の推定、(3) データベースに基づく遺伝子制御ネットワークの構築、(4) 推定されたRNA合成/分解速度に基づく遺伝子間伝達情報量の算出、(5) 遺伝子制御ネットワークの時間的発展の推定および分化に必須な遺伝子間制御関係の同定、の各段階を実施する。 2022年度は、ヒト白血病由来K562細胞の分化誘導条件および細胞内RNA標識条件を検討し、核酸アナログ標識を施した際のscRNA-seq解析を実施した。これにより計8サンプルから、計20,000細胞程度に対する遺伝子発現プロファイルを取得している [上記 (1) を完了]。 令和5年度は上記 (2) scRNA-seqデータに基づく細胞毎のRNA合成/分解速度の推定に関して、解析パイプラインを構築中である。これは半年程度を見込んでおり、年度内の論文投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記の通り、令和4年度はヒト白血病由来K562細胞の分化誘導条件および細胞内RNA標識条件を検討し、核酸アナログ標識を施した際のscRNA-seq解析を実施した。これにより計8サンプルから、計20,000細胞程度に対する遺伝子発現プロファイルを取得している。これらの遺伝子発現プロファイルを基に細胞分化誘導に対する細胞状態の変化を確認した所、分化誘導時間に伴った連続的な変化が認められ、想定通りのデータが得られたと判断される。また、scRNA-seqデータに基づく細胞毎のRNA合成/分解速度推定の解析パイプラインの構築を開始しており、当初の予定を上回る進捗となっている。 以上の結果より、「(1) 当初の計画以上に進展している。」と判断される。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、scRNA-seqデータに基づく細胞毎のRNA合成/分解速度推定の解析パイプラインの完成を予定している。これは半年程度を見込んでおり、年度内の論文投稿を予定している。これに引き続き、当初の計画通りデータベースに基づく遺伝子制御ネットワークの構築、遺伝子間伝達情報量の算出へと順次実施する予定である。
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