研究課題/領域番号 |
23K24956
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補助金の研究課題番号 |
22H03701 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
コリー 紀代 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (80431310)
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研究分担者 |
中村 美鈴 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (10320772)
小水内 俊介 香川大学, 創造工学部, 准教授 (40708004)
二宮 伸治 広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (60237774)
金井 理 北海道大学, 情報科学研究院, 特任教授 (90194878)
近野 敦 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (90250688)
井上 創造 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (90346825)
五十嵐 真里 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 講師 (70807479)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | VR/MR/AR/XR / 医療的ケア / 看護教育 / 気管内吸引 / 触覚呈示 / VR/AR/MR/XR |
研究開始時の研究の概要 |
2024年度は、Simmar+ESTE-SIMを国内の3拠点に展開し、各拠点において、Simmar+ESTE-SIMの体験会を実施する。体験会の対象者は、周囲の看護系大学教員とし、シミュレータの機能や学習効果、使用感に関する課題を明確化するためのアンケート調査を行う。我々の今までの研究においては、シミュレーション教材開発による学習効果の向上を主眼としてきたが、医療的ケア児が多く居住する地域とそうでない地域があるように、大学が設置されている地域により、看護教育者がシミュレータに求める機能が異なることが考えられるため、教育者側のニーズを明らかにする必要があると考える。
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研究実績の概要 |
本研究では、①医療事故の体験も可能な人工呼吸器複合現実シミュレータの開発と、②機械学習を用いた特徴量抽出による学習評価アルゴリズムの構築を目的としている。
①に関しては、広島国際大学の二宮教授ラボにおいて人工呼吸器の操作パネルと測定値グラフの表示が可能な人工呼吸器トレーニングアプリSimmarを開発いただき、関東圏の2大学において大学院生約40名を対象としたユーザテストとアンケート調査を実施した。その結果、卒後1年目から人工呼吸器に携わったと回答した者が30名(71.4%)、学部レベルでSIMMAN-ALS5000を使用した経験のある12名のうち、8名が満足したと回答し、4名が不満と回答した。大学院レベルでSIMMAN-ALS5000を使用した17名のうち、12名が満足したと回答した。まともに習ったことがないという自由記載も認められた。同時に、特別支援学校における人工呼吸器装着児への看護師のかかわりについて360度動画教材を開発し、アンケートを実施したところ、教材の難易度について、学部3年次の学習内容として適切と回答した者が約8割、学部4年次として適切と回答した者が同じく約8割であった。2023年度はこれらの結果と学会発表後のディスカッションを踏まえ、教材の難易度を設定する。
②に関しては、九州工業大学の井上教授と共に機械学習において抽出すべきタスクについて検討し、先行研究に基づき、手袋着用から手袋廃棄までの気管内吸引の一連の流れを1回の気管内吸引とし、吸引前の判断指標となる「肺音聴診」、吸引後の看護介入である「体位ドレナージ」を含めた行動認識のためのアノテーションを進めている。翌年度は、習熟度を判定する分類器の開発を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
①Simmarのアンケート結果より、学習者ニードの高さに加え、ユーザ満足度の高さが明らかとなり、当初の想定よりも早く複合現実人工呼吸器シミュレータ(人工呼吸器トレーニングアプリSimmar)の開発が進んでいる。翌年度以降に計画していたユーザテスト・アンケート調査を、初年度である2022年に実施することができた。これにより、Simmarとプロジェクションマッピングによる気管内吸引シミュレータ(ESTE-SIM)の統合が2023年度に実施可能となった。ESTE-SIM側のSimmar受け入れの準備は完了しており、教材の難易度を規定するシナリオ開発が今後の課題となる。
②習熟度判定アプリ開発のための視線計測・動作解析データのアノテーションも最終年度における開発を予定していたが、①の開発が当初の計画以上に進展しているため、ESTE-SIMを2台体制(教師側、学習者側)とし、遠隔シミュレーション教育システムとしての適用可能性テストの実施体制が組めることが明らかとなった。遠隔医療のためのDX化が推進されているが、救命の場面においてはITやバーチャル空間では対応しきれないため、救命場面に適切な対応ができる人員を計画的に配置することが重要となる。そのため、医療過疎地域の多い北海道において、在宅療養を支えるケア提供者数を増やすことが喫緊の課題とされている。一刻も早い年と医療過疎地域をつなぐ遠隔シミュレーションの開発を目指し、医療格差の軽減、医療サービスへのアクセシビリティ向上(Health Equity)に貢献したいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は人工呼吸器トレーニングアプリSimmar単独のユーザテストを実施した。2023年度は気管内吸引シミュレータESTE-SIMとSimmarを統合した教育システムとし、ユーザテストを実施する。教材の難易度に関しては、2022年度に実施したアンケート結果を参考に、学部生・大学院生を対象とした異なるレベルの教材開発を目指す。ESTE-SIM・Simmarは、学習者がすぐに活用できるものではなく、シミュレーション教育の実施前には、十分な予備知識を必要とする。そのため現在、並行して開発中の360度動画教材に北海道大学病院周産母子センターのご協力をいただき、留意点や工夫点などのコメントを付加したシミュレーション教育前の視聴覚教材を開発中である。
360度動画教材の有効性については、今までに開発したCG動画との比較を行い、CG動画は背景などの余計な情報がない分、スキルに集中して視聴できるというメリットがある一方で、どのような文脈(急変時なのか、経管栄養前なのか等)で吸引をしているのかがわかりづらいという回答をいただいている。360度動画においては、VR酔いや教材開発者の意図が伝わりづらい、何が重要でどこを見たらよいかわからなかった等の回答をいただいている。それらを踏まえ、教材開発者(教員)が目標とする学習内容と適切な媒体の選択方法についても検討し、学習者のレディネスに合わせた教材を開発する。
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