研究課題/領域番号 |
23K24979
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補助金の研究課題番号 |
22H03725 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
横川 太一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 副主任研究員 (00402751)
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研究分担者 |
重光 雅仁 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), 研究員 (20511695)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 微生物海洋学 / 海洋物質循環 / 生物ポンプ |
研究開始時の研究の概要 |
「生物ポンプ」と呼ばれる炭素循環過程が海洋の二酸化炭素吸収量の決定に大きく関わっている。「生物ポンプ」は、その主要過程を「細菌群集の生理/生態」に依存するため、環境変動に対する変動幅が著しく大きい。海洋環境が変化していく過程で、応答する「細菌群集」とそれを構成要因とした「生物ポンプ」の構造変化の応答解析は、海洋炭素循環過程の理解に必須の課題である。本研究の主題は、「細菌DNA分布デー タ」から、生物ポンプを担う「細菌群集機能」を読み解くことにある。この目的達成のために、高解像度/全球規模の細菌DNA分布データおよびその支配要因となる環境観測データを統合して、生物ポンプの全体像を描き解析する。
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研究実績の概要 |
本研究の主題は、『生物ポンプを担う有機物分解の支配要因である細菌群集機能を高解像度/大規模細菌DNAデータから読み解く』ことにある。この目的達成のために、次の2課題を並行して実施し互いに補完しながら研究を進める。1)本研究で構築する海洋微生物広域観測データと既知の大規模微生物観測データとの統合、2)物理ポンプ/有機物生産/環境パラメタの取得のための観測の実施と観測データ解析。 今年度は主に、研究代表者が保有する海洋微生物広域観測データと、既に公開されている大規模微生物観測データおよびそれに付随する物理・化学データとの統合作業を行った。この統合データを用いた微生物量及び群集構造の空間分布パターン解析を行った。この点に関連して、2022年度日本海洋学会秋季大会において一般講演1題とシンポジウムでの講演1題の発表を行った。 またこの統合データ解析結果をもとに海洋微生物観測のサンプリングデザインを行い、2022年10月には沖縄近海、2022年12月には伊豆小笠原近海において、観測航海(KS-22-15、KS-22-16)を実施した。これら2つの観測航海では、鉛直方向に試料採取頻度を密に設定し、微生物生物量(細菌、ウイルス、ピコ植物プランクトン)、微生物従属栄養活性(放射性同位体ラベル-ロイシン取り込み活性)、微生物呼吸量(二酸化炭素排出量)、微生物同化効率、微生物群集構造解析用試料の採取を重点的に行った。採取した試料は陸上実験室に移送後、測定作業とデータ解析に供した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度末の解析作業計画が遅延し、実施期間を3ヶ月延長したものの、その後は「変更後の計画」の通り研究を遂行できた。採取した試料の測定は終了し、得られたデータから微生物の空間変動パターンの解析を進めている。得られた解析結果をもちいて、本研究課題の課題3)生物ポンプの機構解析および課題4)生物ポンプ数値モデルの構築作業に取りかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度測定したデータ解析を順次進める予定である。今後は本研究課題のサブ課題である「生物ポンプ機構の解析」、「生物ポンプ数値モデルの構築」の作業にあたる予定である。 また統合データを元にサンプリングデザインされ実施された北太平洋中央部南北断面観測航海(MR23-07、北緯59度から北緯20度まで)で得られた試料の測定も順次進める。
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