研究課題/領域番号 |
23K24980
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補助金の研究課題番号 |
22H03726 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
杉江 恒二 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 副主任研究員 (00555261)
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研究分担者 |
栗栖 美菜子 東京大学, 大気海洋研究所, 講師 (80880864)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
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キーワード | 鉄 / 生物生産 / HNLC海域 / 植物プランクトン / 北太平洋 / 鉄不足 / 生物地球化学 / 生物海洋学 / 化学海洋学 / 時系列クリーン採水器 / HNLC / 栄養塩 / 西部北太平洋 / 南極海 |
研究開始時の研究の概要 |
亜寒帯北太平洋や南極海など,全海洋の約25%の生物生産が鉄不足による制限を受けている。海洋への鉄の起源は,「海洋中層」と「風成塵」の自然起源が主体と考えられてきたが,近年「人為起源」の鉄にも注目が集まっている。そこで本研究では,新規の漂流型時系列クリーン採水器を設計・開発し,「自然起源」と「人為起源」鉄のそれぞれを,濃度とその安定同位体比並びに鉛(人為起源)やアルミニウム(風成塵)等のトレーサー微量元素の定量を可能にする。本装置を鉄制限海域である西部亜寒帯北太平洋および南極海で運用し,「どこからもたらされた鉄が生物生産にどの程度寄与しているのか?」を定量的に評価する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は,昨年度調整した漂流型時系列クリーン採水器を西部亜寒帯北太平洋のSt. K2で試験する予定であったが,「みらい」MR23-05航海の際,濃霧による天候不良で測器回収が見込めないために実地試験を行うことができなかった。しかしながら,時系列クリーン採水器の事前準備(分解,洗浄,再構築)や漂流系の設計など,測器を投入から回収する以外の手順を実施できたことは,成果物として目には見えないが,本研究を遂行する上で非常に重要な経験を得ることができたと考えている。本研究の重要な目的である,「鉄不足の海域で高いCO2吸収量や豊かな生態系が維持されているパラドックスの解明」の達成のための亜寒帯北太平洋での再試験は,令和7年度の「みらい」航海で実施できるように,再来年度の航海の申請から調整を行っている。また,時系列データ未取得の補償として「みらい」MR23-05航海においてクリーン採水を実施し,微量金属元素とその同位体分析のための試料を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
時系列クリーン採水器の開発から細部のパーツまでの洗浄と測器の組み上げや,漂流させるための漂流系システムの構築までは順調に進めることができた。しかしながら,天候不良によって「みらい」MR23-05航海での実地試験が行えなかったため,当初計画と比較して進捗に遅れが出る結果となった。分析等のために充てていた時間は,次年度に南大洋で実施するための凍結防止策や測器部品の洗浄方法の再検討等を行うことで補間した。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,砕氷艦「しらせ」に乗艦し,南大洋で本研究で開発した測器の実地試験を行う。今年度前半は,そのための事前準備(測器やパーツの酸洗浄)を行う。帰艦は令和7年4月なので,試料の分析は来年度に実施する。また,令和7年度の「みらい」航海において,本研究で開発した測器を用いたリベンジの観測を行う予定である。
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