研究課題/領域番号 |
23K24986
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補助金の研究課題番号 |
22H03732 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
矢吹 正教 京都大学, 生存圏研究所, 特定研究員 (80390590)
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研究分担者 |
三浦 和彦 特定非営利活動法人富士山測候所を活用する会(富士山環境研究センター), 第一研究部, シニアリサーチフェロー (00138968)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 車載ライダー / エアロゾル / 気象要素 / 移動観測 / 大気微量物質 / 移動計測 |
研究開始時の研究の概要 |
都市域、農地、森林域など、人間生活圏に近い領域の気象と大気微量成分を高精細に3次元センシングをするための車載型複合ライダーを開発する。多用途のスペクトル観測に対応する新しい発想の分光技術と車内で完結する独自の校正手法を核として、耐環境性能に優れた汎用性と機動性を備えた車載型の複合ライダー技術を確立する。複雑な地表面付近の大気を詳細かつ精密に3次元センシングすることにより、定点で行われてきた直接観測や従来型のリモートセンシング観測では捉えきれなかった微量成分の動態を観測から明らかにし、数値シミュレーション実験の検証、および微量成分の陸面-大気間フラックスや輸送・拡散・変質過程の理解に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、都市域、農地、森林域など、人間生活圏に近い領域の気象と大気微量成分を高精細に3次元センシングをするための車載型複合ライダーの開発を目的とする。2022年度は、除振台や紫外透過天窓を常設した車載ライダー専用車への改造を実施し、ライダー装置設置空間を広げ、雨天や高速走行にも対応した。2023年度は、2022年度に設計し、また開発中に課題として出てきた検出器への天窓からの蛍光漏れ込みにも対応した分光系を構築・実装した。また、並行して実施している挑戦的研究(萌芽)「蛍光体発光スペクトルの安定性に着目した検出器校正による環境計測ライダーの新展開」により開発した校正装置を車載ライダーに適用することで、定量性を逐次確認しながらの移動計測が可能となった。ライダー性能評価のため、2023年9月にドップラーライダー、水蒸気・気温ライダー、ドローン気象観測との比較実験を行った。 2023年度は、走行距離500km以上の長距離移動観測を15回実施した。東京湾アクアライン海上部での観測では、早朝から日中にかけて、日射や自動車・船舶の交通量、陸地からの距離等に応じて接地境界層内のエアロゾルが高濃度となる領域が変動していく様子を捉えた。富士山を中心とした約100kmの公道を周回する観測では、山谷風が顕著に現れる孤立峰周囲の大気境界層高度の空間分布の特徴を明らかにした。車載ライダーの汎用性を実証するため、フェリーで北海道まで移動し、冬季の道路上の融雪剤の巻き上げの影響について評価した。また、マイナス20℃以下となる陸別町では氷晶粒子の偏光移動観測を実施した。 その他、2024年に実施予定であった農地・草地計測への最適化を目的とした、光学系の改良・設計を前倒しして行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、2023年度までに予定していた車載ライダー専用車への改造と、大気計測用ライダー装置の高度化は完了し、多様な場所での実証観測も実施済みである。さらに、2024年度に予定していた農地・草地計測への最適化のための光学系の改良・設計を前倒しして実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
従来の都市部、山間部等での大気計測に加えて、車載ライダーの草地・農地への適用を指向した検証実験を実施する。また、これまでの成果をまとめて論文化する。
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