研究課題/領域番号 |
23K25020
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補助金の研究課題番号 |
22H03766 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
堀井 勇一 埼玉県環境科学国際センター, 化学物質・環境放射能担当, 主任研究員 (30509534)
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研究分担者 |
安野 翔 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 主任 (80850007)
櫻井 健郎 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 室長 (90311323)
今泉 圭隆 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 主幹研究員 (80391069)
黒田 啓介 富山県立大学, 工学部, 准教授 (30738456)
西野 貴裕 公益財団法人東京都環境公社(東京都環境科学研究所), 環境リスク研究科, 主任研究員 (90506619)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | シロキサン / 食物網解析 / 東京湾流域 / 動力学モデル / 多媒体モデル / 高懸念物質 / 生物蓄積性 |
研究開始時の研究の概要 |
東京湾及び河川の底質及び底生食物網に着目したシロキサン類の網羅的調査から、食物網内の濃度分布及び栄養段階に依存するシロキサン類の濃縮傾向を明らかにするとともに、生物蓄積動力学モデルにより食物網の蓄積特性を解析する。さらに、地理的分解能を有する多媒体環境動態モデル(G-CIEMS)を用いて東京湾及びその流域内の多媒体に渡るシロキサン類の移動・消失・存在量及び空間分布を推定することで、シロキサン類の環境排出を含む多媒体挙動の全体像を明らかにする。多媒体におけるシロキサン類及び有機ケイ素のマスバランス調査から、シロキサン類の分子構造、分子量に依存する環境動態、蓄積傾向を解析する。
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研究実績の概要 |
本研究では、シリコーン産業の主要物質であるシロキサン類について、底生食物網に着目した存在実態及び生物蓄積動態の解明を目的に、東京湾及びその流域を対象とする以下の研究を実施した。 モニタリング調査:多媒体中シロキサン類の濃度測定、底質及び底生食物網に着目したシロキサン類の残留蓄積性解析に向けた諸検討を実施した。具体的には、水試料について、溶存態・懸濁態別の分析法を確立した。確立した分析法の妥当性評価のため、下水処理場周辺の河川における先行調査を実施した。水生生物調査では、元荒川及び東京湾において、二枚貝、魚類等の底生生物を含む多様な生物を採捕した。食物網における各生物種の栄養ポジションは、窒素安定同位体比から推定した。固相カートリッジとGC/MSを用いて、魚類中シロキサン類の簡便で効率的な分析法を新たに開発した。 生物蓄積動力学モデルによる予測:動力学ベースの予測モデルによる生物蓄積性の解析向けた諸検討を実施した。具体的には、生物学的パラメーター(代謝速度、摂餌速度、成長等)、主なシロキサン類(D4, D5, D6)の動力学パラメーターを推定するための情報を文献から調査した。 G-CIEMSによる多媒体挙動解析:モデル予測による流域内及び東京湾におけるシロキサン類の空間分布及び多媒体挙動を解析した。具体的には、モデル計算の諸設定、排出源単位、汽水域での脱吸着や粒子沈降をモデルで再現するための基本的な検討を行い、東京湾及びその流域を対象に、代表的な化合物(D4)について多媒体挙動をモデル計算により示した。大気については1 km四方、河川中及びその底質については単位河道(平均5.6 km2)毎の解像度で解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の特色は、環境モニタリング及びモデル予測を融合する多角的なアプローチから課題解決に取り組むことにある。以下の理由により、各サブテーマは概ね計画通り進捗している。 モニタリング調査:水試料について、課題であった溶存態・懸濁態別の分析法を確立し、その妥当性評価のため、下水処理場周辺の河川における先行調査を実施した。生物調査では、採用した方法により、食物網解析のベースとなる一次消費者(二枚貝)を含む多様な水生生物を採捕可能であることが確認され、また、調査地域に生息する主な水生生物を把握することができた。現在、開発した分析法を用いて、魚類中シロキサン類の濃度分析に取り組んでいる。これらの調査から、2年目以降に予定する網羅的調査を円滑に遂行するための問題点を洗い出し、調査・分析法を改良した。 生物蓄積動力学モデルによる予測 :動力学ベースの予測モデルによる生物蓄積性の解析に必要な生物学的パラメーター(代謝速度、摂餌速度、成長等)や、主なシロキサン類(D4, D5, D6)の動力学パラメーターを推定するための情報収集を概ね計画通り進めた。 G-CIEMSによる多媒体挙動解析 :新たな領域として追加した東京湾の解析が課題であったが、モデル計算の諸設定、排出源単位、汽水域での脱吸着や粒子沈降をモデルで再現するための検討を重ねることで、代表的な化合物(D4)の多媒体挙動をモデル計算により示す等、概ね計画通り進捗した。
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今後の研究の推進方策 |
底生食物網に着目した存在実態及び生物蓄積動態の解明を目的に、東京湾及びその流域を対象とした調査および解析を引き続き実施する。 モニタリング調査:東京湾及び河川において多媒体中シロキサン類の濃度を測定し、底質及び底生食物網に着目したシロキサン類の残留蓄積性を引き続き解析・検討する。東京湾では、底曳網を用いて底生生物を含む魚類、甲殻類、貝類等を広範に採捕する。河川(元荒川)では、下水処理場付近において、投網、たも網等を用いて魚類、貝類等を採捕する。食物網における各生物種の栄養ポジションは、窒素安定同位体比(委託分析)により推定する。これらの環境情報を基に、シロキサン類について底生生物に着目した生物濃縮性を解析する。 生物蓄積動力学モデルによる予測:引き続き、動力学ベースの予測モデルにより生物蓄積性を解析する。生体内への取り込み、代謝、排泄に関するモデルパラメーターからシロキサン類の濃度を予測し実測と比較する。具体的には、生物学的パラメーター(代謝速度、摂餌速度、成長等)、主なシロキサン類(D4, D5, D6)の動力学パラメーターを推定するための情報を文献調査する。フィールド調査から得られた食物網情報を基に、モデル予測の対象とする生物種を検討する。 G-CIEMSによる多媒体挙動解析:引き続き、モデル予測による流域内及び東京湾におけるシロキサン類の空間分布及び多媒体挙動を解析する。具体的には、モデル計算の諸設定、排出源単位、汽水域での脱吸着や粒子沈降をモデルで再現するための基本的な検討を行い、東京湾及びその流域を対象に、代表的な化合物(D4, D5, D6)について多媒体挙動をモデル計算により示す。モデルの信頼性評価として、実測値との比較・照合に順次取り組む。
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