研究課題/領域番号 |
23K25034
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補助金の研究課題番号 |
22H03780 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中井 智司 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (80313295)
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研究分担者 |
末永 俊和 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (80828377)
新居 隆浩 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (90804873)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 発酵食品残渣 / 消化管 / 健全化 / プロバイオティクス / スラウストキトリッド / 乳酸菌 / 腸管細胞 / エコフィード / 多価不飽和脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
発酵食品残渣を基質としてスラウストキトリッドを培養し、得られた混合物の消化管の健全化と家禽産物の多価不飽和脂肪酸(PUFAs)の強化機能を検証する。発酵食品残渣、それらを用いた培養で得た藻体混合物を家禽に給餌して摂餌や体重増加と共に、消化管の粘膜組織形態の変化と粘膜機能関連分子の発現を解析する。また、同残渣や藻体混合物、腸管内容物の微生物叢を比較し、消化管の健全化に特徴的な微生物群なども評価する。そして藻体混合物を産卵鶏や肉用鶏に給餌して鶏卵や鶏肉でのPUFAsの蓄積動態も明らかにする。
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研究実績の概要 |
今年度は発酵食品残渣による摂餌促進の可能性を検証すると共に、発酵食品残渣に含まれる乳酸菌の把握を解析した。まず、廃広島菜古漬、ならびに米酢絞粕を粉砕し、市販の家禽の餌に10%の割合で混合して白色レグホーン種に給餌した。その結果、有意差を示す程ではないが古漬を加えた系で摂餌量が約10%増加することを確認した。さらに、古漬と米酢絞滓を基質としてスラウストキトリッドAurantiochytrium sp. L3W株を大量培養し、得られた藻体バイオマス混合物を脱水後、市販の家禽試料に同割合で白色レグホーン種に給餌した。その結果、バイオマス混合物の給餌により鶏卵中のDHAやEPAが5日目以降に有意に増加することを確認した。一方、広島菜古漬の微生物叢を分析した結果、乳酸菌が主でありバクテリアの30%以上を占めること、乳酸菌の中ではLactobacillus sakeiが主であることを確認した。さらに、古漬と米酢絞滓を基質としてL3W株を非滅菌下で培養する場合、pH7ではバイマス混合物中の乳酸菌は維持できないが、pH4とすることで乳酸菌を維持できることを認め、pH調整によりL3W株由来のDHA及びEPA、ならびに食品残渣由来の乳酸菌を有するバイオマス混合物がえられることを確認した。さらに、乳酸菌を含む発酵食品残渣の腸管への影響を評価するため、ブロイラー雛の腸管組織について、アルシアンブルー染色、ヘマドキシリン染色により、上皮の厚さ、絨毛の高さ、陰窩の高さ等、腸管細胞への効果を評価できる試験系を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発酵食品残渣による摂餌への効果と同残渣に含まれる乳酸菌を確認した。また、乳酸菌を含む発酵食品残渣による腸管への効果を評価する試験系を構築しつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
粘膜の形態に関連する粘液(mucin)や腸管上皮細胞のタイト結合関連分子(claudin)などの発現を全RNAサンプルのリアルタイム定量PCR等により評価する試験系を構築し、実際にヒナドリに発酵食品残渣、ならびに同残渣を用いてL3W株を培養し、得られた食品残渣とL3W株のバイオマス混合物をヒナドリに給餌し、消化管への効果を明らかにする。
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