研究課題/領域番号 |
23K25064
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補助金の研究課題番号 |
22H03810 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
富井 尚志 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (40313473)
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研究分担者 |
本藤 祐樹 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (90371210)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | センサデータベース / サイバーフィジカルシステム / スマートグリッド / 電気自動車 / 再生可能エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
再生可能エネルギーは不安定であるため、エネルギー供給と需要のミスマッチの問題が生じる。この問題を、大容量バッテリー搭載の電気自動車(EV)を統合した新しいスマートグリッドによって解決することを試みる。その実現性を、現実に収集された多様なビッグデータを用いて、データサイエンスの立場から定量的に示す。そのために、データ収集とデータ処理を基盤とした独自の情報システムを設計・実装する。本研究課題は、データ工学を専門とする応募者がエネルギー環境科学の専門家の協力を得て推進される。専門家同士の協力によって推進される学際領域研究であり、実証まで行うところに本研究の学術的独自性がある。
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研究実績の概要 |
1年目である令和4年度に、VGIスマートグリッドの実現性を定量的に評価するための次の8つの指標を導入をした。(1)PV発電の有効利用度、(2)外部供給電力量の低下度、(3)外部供給電源安定度、(4)バッテリー充給電による変換損失、(5)バッテリー容量損耗度、(6)トータル導入コスト、(7)データ量およびデータ速度に対するデータベースサーバの実効パフォーマンス、(8)データ有用性と正確性。これらの項目について、2年目の令和5年度には収集されたデータを用いた定量化と情報可視化を行なって、より有効で有用なデータ活用結果を示した。とりわけ、デメリット分に相当する(4)バッテリー充給電による変換損失、および(5)バッテリー容量損耗度の評価に着手し、1件の研究発表を行った。また、独自設計を行ったDBを用いて、(6)を含めた多角的なシミュレーションを行い、1件の研究発表を行った。 EVについては実走行データおよび充給電データの収集を継続するとともに、収集された実走行データを用いた電力消費予測の精度向上を試みた。特に、新たに導入された「EVのエネルギーベースラインマップEBM(Energy Baseline Map)」の精度評価と応用方法について2件の研究発表を行った。これらの内容は査読付国際会議に採録され、令和6年度に発表を行う予定である。さらに、日常生活で使用されるEVから収集されたライフログの有用な分析方法について1件の研究発表を行った。 また、SQLとPCP(Parallel Coordinates Plot)を組合わせた独自のデータ可視化手法に基づくライフログ分析については、査読付論文誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度に太陽光発電システムを設置した。このシステムと連動してEVの充給電を行うことができる新型のEVパワーステーションを令和5年度に設置した。そして、実際のEVを接続して充給電中のデータ収集を開始した。これによって、小型マイクログリッドのプロトタイプを構築したこととなった。これらの装置を用いて、EVの充給電データを継続的に収集することによって、シミュレーションだけでなく実証実験への足掛かりとする。これらについては、当初計画通りおおむね順調に進展している。 また、査読付論文誌論文1件が掲載され、査読付国際会議論文1件が採録・発表予定の状況となった。ほかに、投稿中(査読中)の論文が2件あり、成果の公表についても順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度にはまず、「EVのエネルギーベースラインマップEBM(Energy Baseline Map)」の精度評価と応用方法について、国際会議で発表を行う。 VGIスマートグリッドの実現性については、収集されたデータを用いた定量化と情報可視化を行なって、より有効で有用なデータ活用結果を示す。特に、令和5年度までに設置した小型マイクログリッドのプロトタイプを用いた継続的なデータ収集によって、シミュレーションだけでなく実データによる実証実験的評価を試みる。 加えて、当初計画に記載していた適切な負荷平準化アルゴリズムの導入を試みる。そして、シミュレーション定量評価および実験的定量評価を期間中に継続的に実施する。 EVについては実走行データおよび充給電データの収集を継続する。収集された実走行データを用いた電力消費予測の精度向上を目指す。特に、「EVのエネルギーベースラインマップEBM(Energy Baseline Map)」については、風況や気温などの気象条件に起因する誤差が確認されている。そこで、これらの誤差を修正するモデルを導入して、精度検証と有用性の検討を行う。
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