研究課題/領域番号 |
23K25067
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補助金の研究課題番号 |
22H03813 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
佐藤 真行 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (10437254)
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研究分担者 |
内山 愉太 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (00710766)
源 利文 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (50450656)
丑丸 敦史 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70399327)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 生態系サービス / 生物多様性 / 経済評価 / 人口構造 / 生態系保全政策 / 保全政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、都市化や人口動態の急速な変化とともに生態系サービスの受益者特性が変化するなかでの生態系サービス評価は未着手の課題である。従来分析されてきた評価対象たる生態系の変化だけでなく、評価主体たる人間・社会の状況変化を考慮した生態系の評価枠組みを構築する。これにより、急速に変化する都市域の状況変化に対応した保全政策を検討し、社会実装として森林環境税などに見られる生態系サービスに対する支払い制度や、生産緑地制度などの土地利用政策、および里山などの都市周辺の生態系保全政策に有効な知見を環境経済学、生態学、都市計画学の学際融合研究により明らかにし、提言する。
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研究実績の概要 |
本年度は、都市域における生態系評価モデルに基づいて、社会・経済・自然・都市データをGIS(地理情報システム)に集約した統合的データセットを用いて、都市生態系サービスの経済評価を行った。人口拡大都市においては、今年度の社会調査によって収集した社会経済データを追加して、人口動態や住民の認知・選好などを計量モデルに組み込み、データ解析を行った。その際に、都市域における生態系資源の分布の偏りだけでなく、住民の経済的および時間的な格差に着目した分析を行い、住民が享受している生態系サービスの分配面について考察した。大都市において共通して時間的格差が存在していることを確認したうえで、裁量時間の有無が都市生態系のニーズにどのように関連しているかという点について、都市型ライフスタイルにおいて時間の欠乏は都市生態系に対して利用の利便性や快適性を優先されること、生物多様性などの認識・評価につながるためには十分な裁量時間を要することなどが確認された。また、都市独特の生態系サービスとして、ヒートアイランド現象の緩和やパンデミック時の利用といった機能についての分析を発展させ、人口拡大都市におけるエコヘルス機能についての研究を行い、次年度に実施する実証研究の予備的研究を行った。 また、人口減少が進む縮小都市の調査に着手し、近年の人口動向から分析対象都市を特定し、それらの都市についての生態系データや土地利用データの収集を行った。さらに、これまでの人口拡大都市における社会経済データと対応する形で収集すべきデータを整理し、社会調査を実施した。収集され統合されたデータをもとに、地方部における生態系サービス評価研究に着手し、次年度において人口拡大都市部との比較につながった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、昨年度の繰越分について対応し、生態系サービスの分配面の論点を含めつつ当初の計画に沿って人口拡大都市の生態系サービス研究を推進できた。また、計画に沿って人口減少都市を対象とした調査・分析に着手でき、おおむね順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に着手した人口減少都市についてのGreen SpaceとBlue Spaceの面積や質(生物多様性や景観)の調査を進め、生態系サービス評価を行う。その際に、これまで研究した人口拡大都市のケースと共通する点および異なる点について整理したうえで、人口変動のパターンを分類して比較分析を行う。それにより類型別の都市生態系変化の動向と都市生態系サービス受益の類型化にもとづき、それぞれの連関や保全政策についての考察を行う。 また、本年度までに構築したデータセットを利用した分析を進め、人口拡大都市域における特有の生態系サービス評価に関する分析を発展させ、研究成果を発信する。 その後、異なる人口動態をもつ都市の生態系サービスに対するニーズと保全政策のギャップについて整理し、研究期間全体の目的である自然共生型の環境都市に向けた政策や制度を分析する。
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