研究課題
基盤研究(B)
本課題は、モンゴル~キルギス~カザフの草原世界で継承されてきた伝統知の実践が、シルクロードの遊牧民の環境適応術と、生存能力の拡張に果たした役割を実証的に解明する。草原世界の遊牧民のあいだでは、家畜防衛・災害対処・薬草利用・狩猟・水源・牧草地利用など、生存のための伝統知が、口承伝達・語り・掟などの生活実践として継承された。本課題では、①定量社会調査、②リモートセンシング、③社会ネットワーク分析、の3つの異なる手法を応用する。これにより、草原適応術の解明にとどまらず、「文明」の礎でもある人類の生存能力の拡張とレジリエンスの確立に、シルクロード草原の伝統知の実践が果たした役割をも探求する。